基本的な考え方
変化する社会のなかで健全な事業運営を継続するためには、企業全体でのコンプライアンスの徹底がますます重要となっています。旭化成グループでは、リスク管理とコンプライアンスを推進するための組織体制やグループ行動規範などの基本的な事項を「グループ リスク管理・コンプライアンス基本規程」で定めています。旭化成ホームズグループでは、グループ行動規範や内部通報制度、リスクコンプライアンス委員会の設置により把握したリスクの周知・浸透を継続的に行い、事業運営の基盤強化に努めています。
旭化成グループ行動規範
旭化成グループは、2025年4月に発表した「新中期経営計画『Trailblaze Together』 」において、グループ全体で取り組むテーマとして「持続的な企業価値向上」「多様な人財活躍」などを掲げています。これらに共通する事項はコンプライアンス遵守の徹底です。「旭化成グループ行動規範」は、社員一人ひとりが旭化成グループの一員として正しく判断・行動できるように制定しています。これは、コンプライアンスを踏まえて事業を遂行するための判断基準を具体的に示したもので、社員にとっては日々の基本行動の拠り所となります。「旭化成グループ行動規範」の徹底のために、2024年度においても、年数回実施する対話型コンプライアンス研修において、事例を基にした行動規範の確認やeラーニングでの継続教育を行いました。今後も「旭化成グループ行動規範」の理解と活用に関し、全社員への定期的な教育や実践的な活動を継続しています。
旭化成ホームズグループのリスクマネジメント体制
旭化成ホームズグループを取り巻くリスクは、事業ポートフォリオの多角化の推進に加え、昨今の激しい事業環境の変化により、多様化、複雑化が進んでいます。事業継続、さらなる成長のためには、リスク管理体制の整備・管理の高度化が不可欠です。このような中、旭化成ホームズグループでは、リスク管理推進体制、管理プロセス、緊急事態対応などを定めた「リスク管理・コンプライアンス基本規程」を制定しています。リスク一覧を用いてリスクの識別・分析を行い、影響度、発生度、対応度の観点から評価・分類したうえで、管理方針を策定し、継続的に運用、モニタリングすることにより、経営層で全社的な重大リスクが特定、共有される枠組みを構築しています。

コンプライアンスに対するリテラシーの向上および適切な管理に対する取り組み
旭化成ホームズでは、「コンプライアンス推進会議」を担当役員指導のもと月1回実施し、旭化成ホームズグループの事業にかかわる法令などを把握したうえで、速やかにコンプライアンス上必要となる対応を決定しています。また、従業員のコンプライアンスに対するリテラシー向上のため、「対話型コンプライアンス研修」と「eラーニング」を実施しています。対話型コンプライアンス研修では、日常業務で起こり得る問題について、社内作成事例と解説を使用して、部署単位で意見交換を行い理解を深めています。2024年度は、「情報管理」などをテーマに4回にわたり、国内全部署(一部の海外子会社を含む)で行い、実施率はほぼ100%でした。eラーニングは、2024年度は「品質管理」などに関するカリキュラムを開講し、「品質月間eラーニング」の受講率は90.2%でした。
内部通報制度(コンプライアンスホットライン)
旭化成グループは、コンプライアンス違反の発生を回避するため、「コンプライアンスホットライン」という内部通報制度を運用しています。当制度は、海外を含む旭化成グループで働くすべての人が利用可能で、弁護士事務所への通報も可能です。通報については、担当役員が指名したチームにて対応し、違法行為等が認められた場合、直ちに中止するように命ずる他、類似事項が発生しないような活動につなげています。
また、旭化成ホームズグループで独自に運営する相談窓口も設けています。2024年度のコンプライアンスホットラインおよびグループ各社の相談窓口への通報件数は合計83件で、事業遂行に影響を及ぼす重大な案件はありませんでした。
安衛法などの法改正対応
近年の化学物質やアスベスト等に関する労働安全衛生法の改正により、建設業においても商品開発や現場管理において新たな対応が求められるようになりました。旭化成ホームズでは、化学物質管理における法改正に適切に対応するため、厚労省推奨の評価方法(クリエイトシンプルなど)を活用し、商品開発の段階から社内ガイドラインを用いて関係部署間での化審法・安衛法・毒劇法の対応状況の確認を行っています。これにより、マニュアル制定時の化学物質に対する安全評価や施工現場での管理体制整備に至る業務全般に対応の漏れがないよう努めています。法改正により新たに定められた「化学物質管理者」「保護具着用管理責任者」の選出、並びに石綿障害予防規則における有資格者での石綿含有事前調査の実施については、パートナー企業とともに体制強化を図り現場管理を行っております。今後も、関連法の遵守に努めてまいります。
啓発活動(環境安全・品質保証大会)
旭化成グループでは、環境安全・品質保証に関する啓発活動として「環境安全・品質保証大会」を年に1回開催しており、旭化成ホームズも毎年参加しています。2024年度は、12月5日に倉敷市芸文館にて開催されました。今回は健康経営Well-beingに関連した専門家の講演をはじめ、日本化学工業会レスポンシブル・ケア賞(RC大賞)を受賞した機械安全活動推進の報告など、さまざまな事業分野の報告などがあり、住宅事業でも生かせる環境・安全・品質に関する管理業務改善のヒントを多く得られました。自社工場を所有する旭化成ホームズグループにとって、さまざまな事業分野からの知見を得ることは非常に重要です。今後も引き続き大会への参加を通じて、旭化成ホームズグループの環境安全・品質保証に対する質の向上を図っていきます。
