膜ろ過の方式
一般的に用いられる膜ろ過方式は全量ろ過方式とクロスフロー (タンジェンシャルフローとも呼ばれる)ろ過方式 の2種類です。
全量ろ過方式は膜供給水の全量をろ過する方式であり、従来の砂ろ過やろ紙ろ過と同じ方式です。分離対象物が膜面に堆積するため定期的に洗浄やろ過膜の交換を行います。これに対して、クロスフローろ過方式は膜面に対し平行な流れを作ることで膜供給水中の懸濁物質やコロイドが膜面に堆積する現象を抑制しながらろ過を行う方式です。
ろ過方式は原水水質、膜の材質および分離性能、モジュール構造、洗浄方法等と深い関係があり処理条件に適した方法を選択する必要があります。
コスト的に見ると、全量ろ過方式はクロスフローろ過方式のような平行流を必要としないため動力費は小さくてすみますが、比較的短い周期での洗浄や膜交換が必要となります。クロスフローろ過方式は一般に膜面流速が高いほど膜面への付着物質の堆積が抑制されるので高いろ過流束が得られ、膜汚染防止の点では高膜面流速が好ましいことになります。しかし、高膜面流速となるほど動力費が増加しますので、処理水量や洗浄効果との関係から経済的な膜面流速を設計する必要があります。
出典:公益財団法人水道技術センター 『水道における膜ろ過法Q&A 付 水道ろ過法用語集』 (一部修正)
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