蒸留法を超える
効率と品質を実現します
マイクローザ®が提供する膜法ソリューションは、従来の蒸留法に比べて、エネルギー消費を抑えつつ高品質な製薬用水を安定供給し、異物混入リスクや検査・メンテナンス負担を大幅に軽減。 さらに導入から保守まで一貫してサポートし、長期的なコストメリットと安心をお届けします。
蒸留法からの脱却でエネルギー効率向上と脱炭素に貢献
従来の蒸留法による製薬用水の製造では、蒸気を発生させ、さらにその冷却・液体化工程を伴うため、高いエネルギー消費とCO2排出量が課題でした。しかし近年、日本・欧州・米国の薬局方でも膜法が正式に認められたことで、沸騰や大掛かりな冷却を必要とせず、高品質な製薬用水を省エネルギーで製造できる新しい選択肢が広がっています。
マイクローザ®の膜法ソリューションは、沸騰や冷却の工程を必要としない分、エネルギー使用を大幅に抑えながら高品質の製薬用水を安定的に供給できる技術です。また、加温や蒸発が最小限で済むため、脱炭素とコスト削減の両面で大きな効果が期待できます。
評価項目 | 膜法 | 従来法 | 備考 |
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性能(水質) | ◎ | ◎ | 同等水質 (いずれも薬局方限度値はクリア) 但し、エンドトキシン除去性能は、 膜法:>99.999%、蒸留:99.9% |
異物混入リスク | ◎ | △ | 膜法:破損しなければなし。連続通水/循環可能。 蒸留:水滴に含まれる粒子の混入が避けられない。 WFIタンク満水時/圧検査時に繰り返し停止。 |
エネルギー | ◎ | △ | 膜法:電気代+加温コスト 蒸留:電気代+加温コスト+蒸発潜熱 膜法の約2倍で能力比例で増加 |
イニシャルコスト | ◎ | △ | 小型 (WFI水量1 m3/hr以下):膜法と同等 中型 (WFI水量1 - 3 m3/hr):膜法の2倍 大型 (WFI水量3 - 15 m3/hr):膜法の3倍 |
ランニングコスト | ◎ | ○ | WFI水量1.8 m3/hrの事例では、膜法が40%減のメリット 膜法:(電気代、蒸気代、水交換代) 蒸留:(電気代、蒸気代、一圧検査代) |
レイアウト | ◎ | ○ | WFI水量4 m3/hrの事例では、膜法が1/10 膜法:1×1×2 mH 蒸留:5×2×3 mH |
稼働実績 | △ | ◎ | 膜利用は、国内取引注射剤が主体。 欧州薬局方は、2017年4月改訂まで蒸留によらない WFI製造を認めなかった。 |
従来法にはない高い水質を実現
製薬用水の製造現場では、蒸留法において異物混入や水質の変動が生じたり、他社のUF膜モジュールで十分なろ過性能が得られず、蒸留法から効率的な膜ろ過法への移行が実現できないなどの課題があります。マイクローザ®を採用すれば、蒸留法に伴う上記の問題を解決できます。またマイクローザ®のUF膜モジュールはダブルスキン構造による高いろ過性能で、従来のUF膜製品では困難だった高いレベルの水質や、微生物や異物混入リスクの排除が実現できます。
ダブルスキン構造などのマイクローザ®の技術的特長について詳しく見るさらに、80°Cまでの高温通水が可能なVIP-3017を使えば、蒸気滅菌プロセスにも対応できるため、衛生管理を効率化しつつ、製薬用水の水質を安定的に維持することができます。蒸留法で問題になる微生物やエンドトキシンの除去性能でも、膜法であるマイクローザ®ならリスクを最小限に抑えられる点が大きな特長です。
他にも、SIP-3023とVIP-3017を組み合わせたダブルパスUFプロセスを導入すれば、膜破れリスクを二重で補完できるため、万が一のトラブルにも備えることができます。
圧力容器検査の負担やメンテナンス工数を低減
製薬向けに蒸留器を導入している企業では、第一種圧力容器試験をはじめとする大掛かりな検査が避けられず、その工数や費用が大きな負担となっています。加えて、検査やメンテナンスが高コストであるため、日々の運用においてもリソースの確保が難しくなりがちです。 こうした課題を解決するためには、従来の蒸留器を使い続けるのではなく、新たなアプローチを検討することが重要です。 マイクローザ®のWFI (注射用水)装置と、遠隔監視付き性能維持サービスを組み合わせて導入することで、蒸留法特有のコスト課題を解決し、より効率的に装置を運用できるようになります。
WFI装置についてもっと詳しく見る遠隔監視付き性能維持サービスでは下記のような支援体制を整えています。
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遠隔監視による運転状況の定期チェック1日2回、圧力・流量・温度・タンク水位・バイオパーティクルなどを遠隔でモニタリング。異常の早期発見をサポートし、安定した膜システム運転を実現します。
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半年に1回の総合点検で正常運転をキープエアリーク検査や消耗材交換、蒸気滅菌などを定期的に実施することで、トラブルを未然に防ぎ、装置を最適な状態に保ちます。
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2年に1回の膜交換作業長期間にわたる性能維持をサポートし、予期せぬダウンタイムや品質リスクを低減します。
多彩な導入実績とサービス体制で安心して利用可能
マイクローザ®は、製薬用水の領域で30年以上の経験を有し、世界各地で350以上の稼働拠点を持っています。この実績に裏づけられたノウハウを基盤として、10,000本以上もの製薬用水システムを稼働させてきました。豊富な導入事例が示す通り、長期的にも安定して運用できるよう、導入から運用フェーズまで継続的にサポートするサービス体制を整えています。