膜法による精製で作業工数と廃棄物削減を実現
国内食品素材メーカーB社は、酵素生産のダウンストリーム工程にマイクローザ®を導入しました。マイクローザ®による酵素生産の効率化についてご紹介します。
集菌・洗菌の効率化:高固形分の培地にも対応するMF膜
微生物発酵後の菌体分離には、液性に応じて様々な分離技術が活用されています。その代表的なものが、ろ過助剤を用いた珪藻土ろ過技術です。国内食品素材メーカーB社は、珪藻土ろ過により酵素の精製を行っていましたが、珪藻土貼り付けの負荷や廃棄物処理、作業環境の改善といった複合的な課題を抱えていました。
そこでB社は、膜ろ過法を用いたマイクローザ®MF膜を導入しました。マイクローザ®はろ過助剤が不要なため、従来では難しかった廃棄物削減や、作業工程の大幅な簡素化を実現することができました。なおマイクローザ®は糸内径の大きなMF膜もご用意しており、高固形分でもスムーズなろ過が可能です。
B社は、マイクローザ®への移行後も、1つのラインで複数の酵素の精製を行う必要がありましたが、旭化成のサポートのもと、すべての酵素が問題なく精製できることを丁寧に検証し、適切な膜ろ過プロセスを構築することができました。
UF膜による酵素濃縮・回収:親水性素材で幅広いサポート
酵素の濃縮工程でも膜法が活躍しています。酵素の安定性や品質を確保しながら高い濃縮率を目指すには、膜性能の選定が大きなポイントとなります。
今回採用されたのは、親水性の高いポリアクリロニトリル素材のUF膜です。酵素を高効率で回収しつつ、不要な成分を分離することで、より純度の高い酵素を得ることができます。
マイクローザ®は外販用酵素の製造だけでなく、自家消費向けの酵素生産においてもMF/UFを組み合わせたプロセスで多数の実績を持ち、幅広い用途に対応します。