無機コロイドの精製・濃縮

数 nmレベルの無機コロイド粒子までも効率的に取り除き、精製から濃縮まで一括処理可能なマイクローザ®のクロスフローろ過技術。複数装置を使い分ける必要がなく、運用負担やスペースの制約を大幅に軽減しながら、高純度化と高い生産性を同時に実現します。

無機コロイド分離の常識を変えるマイクローザ®の新基準

中空糸膜のダブルスキン構造やTIPS法による高耐薬品性PVDF膜など、独自技術を活かしたマイクローザ®のクロスフローろ過方式。遠心分離機やセラミック膜と比べて装置がコンパクトになり、省エネルギー性と効率性を両立。連続処理にも対応するため、研究開発から大規模生産へとスムーズにスケールアップできます。

マイクローザ®だからこそ実現可能な高純度化

従来の分離システムでは十分に対応しきれない微細化・高分散化した無機コロイドスラリーのろ過に課題を抱えていませんか。たとえば、比重差による沈降・遠心分離やフィルタープレスでは、数 nmレベルの副生成物 (夾雑イオンや錯イオンなど)や未反応物 (モノマー、添加剤など)を十分に分離しきれない場合があります。また、高純度化・高回収率が求められるほど、既存の分離システムではろ過精度に限界が生じがちです。

マイクローザ®のUF／MF膜を使ったクロスフローろ過方式なら、このような高純度化の課題を解決できます。化学合成時に生じる数 nmの微細粒子まで対応できるため、求められる純度レベルに合わせて効率的に脱塩・精製を行うことができます。特に微細化・高分散化が進む無機コロイドスラリーや有機エマルジョンの分離・濃縮にも対応可能で、高純度化を実現しながら副生成物や未反応物を効果的に除去します。

マイクローザ®UF膜モジュールの特長
一般的な中空糸型のUF膜がシングルスキン構造であるのに対し、マイクローザ®のUF膜は内外両表面に分離機能をもつダブルスキン構造を採用。精製濃縮プロセスで内表面に負荷がかかっても外表面が補完的に機能するため、リークのリスクを低減します。
マイクローザ®UF膜について詳しく見る
マイクローザ®MF膜モジュールの特長
独自の製膜技術TIPS法 (熱誘起相分離法)で製造されたPVDF (ポリフッ化ビニリデン)膜を使用しており、一般的なNIPS法 (非溶媒誘起相分離法)で製造されたPVDF膜よりも耐薬品性と耐久性に優れます。酸化剤を含むスラリーや、酸化剤入りの薬品で繰り返し洗浄を行う場合でもリークリスクが低いため、長期的に安定したろ過性能を発揮できます。また、化学工業用途においては、ミクロンオーダーのスラリーやエマルジョンを精製濃縮するための1.4 mmφタイプと、高濃縮用途に適した2.6 mmφタイプをラインナップし、多様なニーズに対応しています。
マイクローザ®MF膜について詳しく見る

精製と濃縮を一元化、連続処理で生産性を向上

無機コロイドスラリーの濃縮処理は、一般的にスラリーの精製から濃縮まで複数の装置を使い分ける必要がありました。そのため遠心分離機を使ったあとに別の濃縮装置に移し替える手間をはじめとする、時間とコストの面で課題があります。

マイクローザ®のクロスフローろ過システムを導入すれば、精製と濃縮を一つのろ過設備で完結できるます。そのため装置構成がコンパクトになるだけでなく、生産工程の簡略化やイニシャルコストの削減も期待できます。さらにバッチ処理ではなく連続処理への移行が可能となるため、バッチ処理に伴うリソースのロスが削減され、生産性が向上します。

精製と濃縮を1台で行えるメリット
クロスフローろ過システムは中空糸膜の強度が高く、比較的高い運転圧力に耐えられるため、スラリーやエマルジョンを一度に精製・濃縮できます。定期的な逆洗シーケンスを組み込むことで安定したろ過流量を確保でき、連続的な処理に対応する設計も容易です。さらに、膜ろ過システム全体の設計製作を依頼することで、ユーザーの手間を最小限に抑えながら最適なシステムを構築できます。
遠心分離機では得られない効率性
クロスフローろ過システムは中空糸膜の強度が高く、比較的高い運転圧力に耐えられるため、スラリーやエマルジョンを一度に精製・濃縮できます。定期的な逆洗シーケンスを組み込むことで安定したろ過流量を確保でき、連続的な処理に対応する設計も容易です。さらに、膜ろ過システム全体の設計製作を依頼することで、ユーザーの手間を最小限に抑えながら最適なシステムを構築できます。

従来法に比べてスケールアップのハードルが下がります

従来、無機コロイドスラリーや有機エマルジョンの濃縮は遠心分離機を用いるケースが多いため、研究開発から生産規模へのスケールアップ時に高額な設備費や安全対策が必要となり、企業にとって大きな負担となっていました。

マイクローザ®のクロスフローろ過方式を採用すれば、この問題を解消できます。たとえば、研究段階ではUF膜・MF膜の分離性能を少量サンプルで確認できるビーカースケールのペンシル型モジュールを活用し、実際の生産に近い条件を手軽に試せます。その後は膜モジュールの本数を増やすだけで大規模設備へと容易に移行できるため、ユーザーの生産規模に合わせた最適なシステムをスムーズに導入可能です。

人的作業負担や粉塵飛散を軽減し、作業環境を改善

従来のろ過設備では、掻き取り作業による粉塵飛散や騒音、回転体の分解作業など、多くの現場で作業者の負担や安全面のリスクが課題となっています。フィルタープレスやキャンドルフィルター、比重差分離による処理では、スラリー回収のために掻き出しや水洗いが必要で、乾燥したスラリーの粉塵トラブルも避けられません。また、遠心分離機を用いる場合は、回転体の危険性や騒音、定期的な分解作業が発生し、作業環境に負担がかかりがちです。

マイクローザ®のろ過装置設備なら、こうした課題を解消できます。マイクローザ®ならタンクと配管内だけで精製・濃縮作業が完結するため、省人化と作業環境の大幅な改善が可能です。騒音や回転体の危険性もなく、設備を頻繁に分解する必要がありません。フィルタープレスと比べても掻き取り作業が不要で、スプレードライヤーとの組み合わせにより均一粒子粉体を得られるため、プレスフィルター時の再粉砕工程も省略できます。