旭化成の技術力が産業の現場を支えます
マイクローザ®は、単なる「膜」ではありません。厳しい運転条件下でも長期間安定して稼働する強靭さ、多彩な膜材質や孔径のバリエーション、逆洗が可能なことで実現する高いメンテナンス性など、技術的および科学的な特長を多数備えています。
高度な製膜技術と孔径制御
マイクローザ®のコアテクノロジーの一つに、その製膜方法があります。一般的に、PVDF膜は「NIPS法 (非溶媒誘起相分離法)」で製造されるケースが多い一方で、マイクローザ®のPVDF膜は「TIPS法 (熱誘起相分離法)」を活用しています。これによって、長期間にわたる高い耐薬品性、耐久性、そして強度を実現しています。
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TIPS法がもたらすメリットTIPS法の採用により、酸化剤・アルカリ・強酸などの厳しい化学環境下でもリークリスクを大幅に低減できます。また、材料内部の結晶性向上により、摩擦や機械的ストレスに対する耐性が強化されます。これにより長期稼働時でも通水性能の劣化が緩やかになり、メンテナンス頻度の低減という大きな経済的利点をもたらします。
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孔径分布の精密制御独自の膜形成プロセスにより、生産ロット間の孔径ばらつきを最小限に抑制しています。これにより分離精度をシャープに維持し、安定したろ過性能を実現します。また、大規模プラントにおいても均質なろ過品質が保証されるため、製品の均一性確保が容易になります。
ダブルスキン構造が高いろ過性能と高耐久性を両立 (UF膜)
中空糸膜の破損リスクは工場安定稼働のリスクに直結するため、耐久性に対する信頼性が極めて重要です。マイクローザ®の「ダブルスキン構造」は、内面・外面の両方にスキン層 (分離機能層)を配置することで、シングルスキン膜と比較して圧倒的な破損耐性を実現しています。
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ダブルスキン構造の仕組みダブルスキン構造は、中空糸膜の内外にそれぞれ超薄層を形成することで、高い分離能と耐摩耗性を両立させる仕組みです。この設計により、万が一内面が傷ついた場合でも外面側の膜が機能を保持し、即座のリークを防ぐことが可能となります。
比較項目 | シングルスキン膜 | ダブルスキン膜 |
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構造 | 内面のみに分離機能層 | 内面・外面の両方に分離機能層 |
耐ダメージ性 | 低い | 高い |
リークリスク | 高い |
低い |
逆洗の可否 | 逆圧で破損するリスクがある | 逆洗可能 |
逆洗・薬品洗浄対応とデータによるメンテナンス性向上
膜システムのランニングコスト削減には、優れたメンテナンス性が不可欠です。マイクローザ®は、ダブルスキン構造と高強度中空糸の組み合わせにより、逆洗や薬品洗浄を安全かつ効率的に実施することを可能にします。さらに、独自データと膜分析に基づく交換時期の最適化を通じて、メンテナンス性のさらなる向上を実現します。
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逆洗可能な膜設計システム停止時の逆圧洗浄で、膜面に蓄積した汚染物を除去。逆洗サイクルを設定することで、運転中の透水量ダウンを最小化できます。
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薬品洗浄実績・広範囲pH耐性酸・アルカリ・塩素系洗浄剤まで幅広く適用可能。洗浄後の透水性能回復率が高く、より長い膜寿命を実現しています。またRO膜前処理用途での塩素洗浄に耐えることが可能な製品も提供しています。
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分析サポートが安定創業をサポート旭化成はお客様の使用済み膜の性能解析を通して、膜の交換時期を的確に把握することが可能です。これにより、製造コスト・廃棄コストのトータル削減に貢献します。