有機エマルジョンの精製・濃縮

化学工業の現場で課題となる有機エマルジョンの高精度分離・濃縮を、コンパクトな装置と高耐久の中空糸膜技術で効率よく実現。回収率の向上と省人化を両立する革新的ソリューションです。

有機エマルジョンの精製・濃縮

有機エマルジョン分離に
新たな選択肢を

化学合成の副生成物や未反応物までも正確に分離しながら、高い回収率を維持できる中空糸膜ろ過システム。小型ラボ装置での研究開発から大規模生産設備まで一貫対応し、コスト削減と品質向上を同時に叶えるソリューションをご提案します。

分離精度の高い膜ろ過システムで課題を解決する

化学品材料の微細化や高分散化が進む中、微細粒子や副生成物を含む溶液を効率よくろ過できず、製品の高純度化・高回収率を維持することが難しくなっています。マイクローザ®が提供する中空糸膜によるクロスフローろ過技術なら、このような問題を解決できます。

  1. 高精度な分離性能
    従来の分離法では困難だった微細粒子やイオン性副生成物まで確実に分離します。これにより、高純度の製品を安定的に提供可能です。
  2. 効率的なプロセス設計
    分離と回収を一体化したプロセス設計により、不要な成分を確実に除去しながら、有用成分を最大限効率的に回収します。
  3. さまざまな材料・プロセスに適応可能
    UF・MF膜の幅広いラインナップを取り揃え、有機エマルジョンから無機コロイドスラリーに至るまで、多種多様な材料やプロセスに柔軟に対応します。精製や濃縮が必要な幅広い分野でご活用いただけます。

効率的な精製・濃縮を、1台の設備で完結

近年、有機エマルジョンの取り扱いシーンにおいて、効率的な脱塩精製システムや、スラリーの精製と濃縮を1台で完結できるコンパクトな設備が求められています。さらに、製造ラインの省人化ニーズも高まっており、複数装置を使い分けることで発生する人的作業負荷の低減が急務となっています。具体的には以下のような要望があります。

  1. 精製と濃縮が一体化したプロセス
    バッチ処理のみならず連続的なろ過処理にも対応し、工程の切り替えを最小限に抑えながら高い純度と高い回収率を両立できます。従来は複数の装置で行っていた工程を1台で完結することにより、装置導入コストやオペレーション負荷を大幅に削減できます。
  2. 安定した運転を可能にする高強度の中空糸膜
    マイクローザ®の膜は比較的高い運転圧力に耐えられる強度をもつため、定期的な逆洗や洗浄を組み合わせた運転シーケンスによって、長期にわたる安定したろ過流量を確保できます。
  3. 省人化に貢献するシンプルな処理工程
    フィルタープレスやキャンドルフィルターなどの比重差分離方式では、スラリー回収のための掻き出し作業や洗浄作業が必要となり、乾燥したスラリーが粉塵として舞い散るリスクもあります。これに対しマイクローザ®のろ過装置はタンクと配管内で処理を完結できるため、作業環境の改善に加え省人化・コスト削減を同時に実現します。

こうした課題を解決する手段である「マイクローザ®」なら、中空糸膜を用いたクロスフローろ過装置なので、「精製」と「濃縮」を一つの設備で完結させることが可能です。

スケールアップ・連続運転にも対応する柔軟な設備設計

有機エマルジョンの処理において、研究開発初期段階では遠心分離機を用いた濃縮処理が一般的ですが、スケールアップを前提とすると設備導入費や大型化による設置スペース・安全運転への懸念が発生します。

こうした課題を解決するため、マイクローザ®はUF膜・MF膜技術を軸に、研究開発から量産規模まで一貫して適用できる設備設計を行います。

  1. 研究開発から量産まで同一技術でスムーズにスケールアップ
    バッチ処理のみならず連続的なろ過処理にも対応し、工程の切り替えを最小限に抑えながら高い純度と高い回収率を両立できます。従来は複数の装置で行っていた工程を1台で完結することにより、装置導入コストやオペレーション負荷を大幅に削減できます。
  2. バッチ処理から連続処理まで柔軟に対応
    ご要望に合わせて運転方式を選択可能。目的物質の純度と回収率を両立させながら、生産工程の最適化を図れます。
  3. 生産規模に応じたモジュール数の設定
    マイクローザ®の膜ろ過装置は、膜モジュール本数を調整することで幅広い生産容量・処理スピードに対応します。大規模な連続運転でも安定した性能を確保できるため、将来的な増産計画にも柔軟に対応できます。

高耐久・高強度の膜がもたらす長期安定運転

有機エマルジョンの精製・濃縮で使用する中空糸膜は、一般的なものでは、スラリーの擦過や酸化剤などの影響を長期間受け続けるため、膜に小さなキズが生じてリークが発生するリスクが高まります。また、酸化剤を含む薬品で繰り返し洗浄が必要な環境下では、耐薬品性が低い膜では頻繁に交換やメンテナンスが発生し、生産効率の低下やコスト増大につながりかねません。
マイクローザ®なら、ダブルスキン構造と高耐久のPVDF中空糸膜で、長期の安定運転が実現できます。

  1. ダブルスキン構造を採用したUF膜モジュール
    一般的な中空糸型のUF膜はシングルスキン構造で、分離機能を持つ領域が内表面か外表面のいずれか一方のみです。しかし、マイクローザ®のUF膜は内外両面に分離機能 (ダブルスキン構造)を有しているため、内表面に生じた擦過の影響で即座にリークが発生するリスクを大幅に低減します。
  2. TIPS法で製造されたPVDF膜モジュール (MF膜)
    マイクローザ®のMF膜モジュールは熱誘起相分離法 (TIPS法 )により製造された高耐久のPVDF中空糸膜を使用しています。一般的な非溶媒誘起分離法 (NIPS法 )と比べて化学薬品や酸化剤への耐久性に優れ、膜の繰り返し洗浄や酸化剤の使用が想定される工程でもリークリスクの低減と長寿命化を実現します。化学工業用途でのミクロンオーダーのスラリーやエマルジョンには1.4 mmφを、高濃縮用途には2.6 mmφの製品を選択可能です。
  3. 生産規模に応じたモジュール数の設定
    マイクローザ®の膜ろ過装置は、膜モジュール本数を調整することで幅広い生産容量・処理スピードに対応します。大規模な連続運転でも安定した性能を確保できるため、将来的な増産計画にも柔軟に対応できます。

競合技術と比較して省スペース・省エネルギー・省人化を実現

従来のろ過設備では、装置の大きさや運転時の騒音、頻繁なメンテナンス作業などによって作業環境が悪化しやすく、省スペース化や省人化を進めるうえで障壁となっているケースがあります。たとえば、設備全体が大規模になるセラミック膜や遠心分離機、フィルタープレスでは、装置導入コストやランニングコストがかさみやすく、作業環境の維持管理にも手間がかかるといった課題があります。

  1. セラミック膜との比較
    設備をコンパクトに設置できるため省スペース化が可能です。循環ポンプ容量の小型化に伴いエネルギー消費量や電力コストを低減できます。イニシャルコストを抑えながら、効率的なろ過を行えます。
  2. 遠心分離機との比較
    設備をコンパクトに設置できるため省スペース化が可能です。循環ポンプ容量の小型化に伴いエネルギー消費量や電力コストを低減できます。イニシャルコストを抑えながら、効率的なろ過を行えます。
  3. フィルタープレスとの比較
    書き取り作業や粉体の再粉砕が不要になり、製品回収まで作業員が実液に接触せずに済むため作業環境が向上します。スプレードライヤーとの組み合わせにより均一粒子粉体を得られ、歩留まりと品質を安定的に確保できます。

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