最高純度の水質と
省エネを両立
WFI (Water For Injection, 注射用水)装置は、CO₂排出量の低減やエネルギーコストの削減を実現しつつ、高い純度を保つ水を安定的に供給します。また、遠隔監視や定期メンテナンス、トラブル対応を含む手厚いサポート体制がにより、ライフサイクルコスト全体の低減にも貢献します。
より高純度な水質を実現
旭化成の高性能なUF膜を搭載したWFI装置は、エンドトキシンなどの不純物を直接ブロックし、高純度の水質を安定的に得ることが可能です。また、従来の蒸留法で必要とされる蒸気の冷却工程が不要なため、装置の構造がシンプルになり、従来法にあった異物混入リスクを低減します。このように、物理的なサイズ排除とシンプルな装置設計の組み合わせにより、より高純度な水質を効率よく実現します。
CO2排出量の低減、エネルギーコストの削減に貢献
従来の蒸留法では、注射用水製造時に大量の蒸気を生成し、それを冷却して水に戻す工程が必要となります。一方で、中空糸膜であるマイクローザ®を採用したWFI装置は、大量のエネルギーを必要とする蒸留工程が不要となります。これにより、従来法に比べて、CO₂排出量を抑えつつエネルギーコストを大きく削減することが可能です。
蒸気滅菌による高い衛生性を確保
一般的に膜法による注射用水製造では、高純度な水質を確保できる一方で、「衛生面は蒸留水と同等のレベルを担保できるのか」という不安を抱える方も少なくありません。そこで旭化成では、他社の膜法装置とは異なり、装置全体を蒸気滅菌 (SIP)できる設計を採用し、蒸留水と同等の衛生性を確保しています。これにより、高い水質と高い衛生性を両立し、より安心してご利用いただけます。
遠隔監視と定期メンテナンスで安定運転をサポート
旭化成では、WFI装置の導入後も遠隔監視と定期的なメンテナンスを組み合わせたサービス体制を整え、導入後も常に最適な状態で運転できるよう支援しています。
・遠隔監視による運転状況の把握 (1日2回)
圧力、流量、温度、タンク水位、バイオパーティクルなどのデータを定期チェックし、早期に異常を発見。迅速な対応につなげることで、トラブルを未然に防ぎます。
・半年に1回の総合点検で正常運転を維持
エアリーク検査、消耗材の交換、必要に応じた蒸気滅菌などを実施することで、衛生面と性能面を常に高いレベルで保ちます。
・2年に1回の膜交換
定期的に膜を交換し、経年劣化による性能低下を防ぐことで、安定した高純度水の製造が可能になります。
このような包括的なサービス体制により、WFI装置を長期にわたり安心してお使いいただけるだけでなく、ライフサイクル全体のコスト削減にも貢献します。旭化成は、導入前から導入後まで一貫してサポートし、お客様の生産体制の向上と安定運転を力強く支えます。
WFI装置の製品仕様
膜種 | VIP-3017 |
膜材質 | ポリサルフォン |
公称分画分子量 | 6,000 |
標準設計ろ過水量 | 0.5 m3/h (モジュール1本あたり) |
標準熱水殺菌温度 | ~85°C |
標準蒸気滅菌温度 | 121~125°C |
装置外形寸法(2本装置の前提) | 1,200 x 2,200 x 1,900 mmH |