電着塗装専用のUF装置が課題を解決
マイクローザ®UF装置は、電着塗装専用に開発した目詰まりしにくい中空糸膜と自動逆洗機能を搭載し、長期間に渡る安定したろ過性能を実現します。塗装不良の抑制、塗料コスト・メンテナンス負荷の削減、純水使用量や排水負荷の軽減まで、さまざまな電着塗装の課題に貢献します。
UF水洗工程の純度を高め、塗装不良を防ぐ
電着塗装におけるUF水洗工程では、UF装置槽のろ過性能が低下するとUF水洗工程のNV (塗料固形分)濃度が上昇し、被塗物の余剰塗料を十分に洗い流せなくなります。その結果、塗装不良が発生し、補修作業が必要になります。
マイクローザ®は、カチオン電着塗装専用に開発された膜素材を採用し、膜表面の汚れの蓄積を抑えます。さらに、自動逆洗機能で定期的に膜表面を洗浄することで、長期間に渡り安定したろ過液を確保し、塗装不良のリスクを低減します。
塗料回収率を高め、塗料コストを削減
電着塗装では、電着槽内の組成を一定に保つため、塗料回収および補充を行う必要があります。しかし、UF膜が目詰まりを起こすとろ過量が低下し、塗料回収率が低下するという課題があります。
マイクローザ®UF膜は、塗料成分が付着しにくい電着塗装専用の膜素材を採用しており、長期間に渡り安定したろ過性能を発揮します。これにより、塗料の高い回収率が安定し、塗料コストの削減が可能です。さらに、電着槽だけでなくUF水洗工程の水洗液を原水に使用する「2段UF」により、より効率的な高次元の塗料回収が実現できます。
メンテナンス対応の手間とコストを削減
電着塗装の現場では、UF膜の劣化や塗料の目詰まりによって、頻繁な交換や洗浄が必要となり、大きな負担となります。特に、突然の膜交換や想定外のトラブルによるライン停止は、週末・夜間の対応を余儀なくされ、人件費や追加コストの増加を招きます。
マイクローザ®は、汚れが付着しにくい設計に加え、自動逆洗機能を標準装備。これにより、洗浄作業の手間を大幅に軽減し、膜の交換サイクルを延長できます。突発的なトラブルによる対応頻度も低減され、メンテナンスにかかる時間やコストを削減することで、より効率的な運用を実現します。
水使用量と排水処理負荷を削減し、環境に貢献
電着塗装では、UF水洗工程後の純水洗工程で多量の純水を使用するため、その環境負荷が課題となっています。特に、UF水洗工程で余剰塗料を十分に除去できないと純水洗工程に余剰の塗料が持ち出され、排水処理の負荷が増大します。
マイクローザ®は、純水洗工程での排水の1/2から2/3を洗浄水として再利用可能なUF装置 (ECS:Electrodeposition Closed System)を提供し、純水使用量の削減に貢献します。また、UF水洗工程で余剰塗料をしっかりと除去することで、純水洗工程への塗料持ち出しを大幅に低減。これにより、排水処理負荷の軽減と環境負荷の低減を実現します。
関連情報:マイクローザ® (KCVシリーズ)の自動逆洗システム
マイクローザ® (KCVシリーズ)は、ろ過装置に自動逆洗を標準装備しています。そのため、オンラインでのUF洗浄が可能で、運転操作も自動化されています。