Reason 1
理由のひとつめは、ヘーベルハウスが終ついの住すみか処にふさわしい屈強な肉体構造をしているからだ。強靭な足腰と無駄のない筋肉を想起させる重鉄構造。その、柱と梁で成り立つ躯体は大地震にもきわめて倒壊しにくい強さを発揮する。
とりわけ3F建ての都市型住宅FREXは、高層ビルなどに使われるオイルダンパーを住宅用にカスタマイズした制震装置を搭載し、より鍛え抜かれた肉体に進化している。
衣食住のなかでもっとも日本人が立ち遅れている「住」の豊かさを手に入れるため、まずはこの屈強な肉体を手に入れたい、われわれはそう考えた。
Reason 2
ふたつ目の理由は、ALCという軽量気泡コンクリートを起用した壁、ヘーベルウォールの強さにある。ALCは、バウハウスの建築家たちが実験住宅に起用して以来、モダニズム建築の熟成を陰で支えた魔法のマテリアルだ。巨大なオートクレーブ窯のなかでまるで陶器のように、逞しく美しく生まれ育つ。
日本国内で製造されるヘーベルウォールは、このALCのなかに鉄筋を組み込んでパネル成形されるため、軽量にして一層堅牢なシェルター壁となる。ヘーベルウォールと、ヘーベルハウス最強の躯体FREXの重鉄構造があれば、われわれは安心してヘイルメリーハウス計画をスタートできる、そう感じた。
それを確かめるために富士山麓にある巨大な研究・実験施設を訪ね、その現場で確信が信頼に変わった。
Reason 3
最後の理由が決定的だ。ヘーベルハウスは、強靭な重鉄柱と梁を用いて構成するため、耐力壁を使わずして堅牢な躯体を維持できる。その骨格によって十二分の耐久力が備わるため、より自由な間取りや自由な空間を創造しやすくなるのだ。
柱に遮られない連続窓を設置したり、ファサードを大きな開口部にしたり、1Fと2Fの間に浮遊するような居室空間を築いても、びくともしない。
ヘイルメリーハウスは、仕事も遊びも妥協なく生きるわがままな男が、「子供の手離れが済んだ後、妻と二人であらたに暮らすエキサイティングなシェルター」というコンセプトを掲げ、限りなく自由な発想で創りあげる家だ。
われわれには、だからヘーベルハウスとのタッグが必要なのである。