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別荘のように心安らぐ家 ALL ABOUT RATIUS | RD FINEST VILLA

STUDY

別荘のように心安らぐレジデンスに住みたい。

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 2022年4月、ヘーベルハウスの新躯体「重鉄制震・デュアルテックラーメン構造」による2F建てレジデンス「RATIUS | RD(ラティウス アールディー)」が発売され、弊誌もいち早く特集を組んで好評を得た。その第二弾となるのが、このたび開発された「RATIUS | RD FINEST VILLA(ファイネスト ヴィラ)」である。新しいタイプの2F建てレジデンスとして、縦横ともに伸びやかな空間創出がなされており、自然に囲まれたヴィラ=別荘で寛ぐような心安らぐひとときをもたらすインテリアスタイルを採用している。同時に高級レジデンスにふさわしい新しい外装スタイルも提案しており、洗練されたノイズレスデザインをもつ、まさに別荘のような都市型住宅に仕上がっている。

外観は、バウハウスの時代からつづく伝統的モダニズム建築の継承ともいえる、立方体を削り出すシンプルな造形デザインとし、キャンティ架構によって深い奥行きを表現している。S-FINE仕上げの「アルミ手摺」や、コーナービューウィンドウなどの組合せによってタイムレスかつノイズレスな造形美を生み出していて、新たな加工技術を導入した新目地は、重厚さと繊細さを共存させた魅力的なテクスチャに仕上がっている。

室内のインテリアは「VILLA STYLE」と呼ばれ、豊かな広がりのなかで、ウッディで、明るく、清潔感のある空間演出が施されている。伝統的な浮造り仕上げの挽板フローリングから、大中小サイズの異なるアンバランスな木貼り天井などの建具まで、ナチュラルな天然木の表情を上手に生かし、長く住まうことで愛着が深まるようなインテリア構成が見てとれる。「地球にやさしい」時代に暮らすアッパー層の価値観を刺激するようなインテリアスタイルだ。今月は、このインテリアについてのインタビューを試みながら、「RATIUS | RD FINEST VILLA」の魅力を伝えたい。

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FACADE & STRUCTURE

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モダニズム思想を継承したノイズレスなルックス
ヘーベルウォールの機能と意匠を存分に生かして完成した新しい邸宅「RATIUS RD -FINEST VILLA-」。ファサードのディテールひとつひとつに、ノイズを消した飽きの来ないデザインが確認できる。豊かな植栽が連なる外構との調和によって、軽井沢や箱根の別荘に住んでいるような感覚で都市生活を送ることが叶う。「重鉄制震・デュアルテックラーメン構造」による堂々とした佇まいも特長だ。

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高天井をもつレジデンス「RATIUS RD -FINEST VILLA-」を象徴する「ハイサッシ」と「コーナービューウィンドウ」。自然の恵みや景色をたっぷり招き入れることができる。

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ノイズレスデザインを追求したS-FINE仕上げの「アルミ手摺」。こういうディテールにもモダニズム建築の進化が感じられる。

HEBEL WALL

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ヘーベルハウス独自の「彫り」と「塗り」の技術で完成した、美しくも逞しい表情の外壁。この、命を吹き込むように丁寧に仕上げられたヘーベルウォールはタイムレスデザインの象徴。もちろん、耐震性、耐火性以下、優れたマルチ機能も有する。

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TECHNOLOGY

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重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
「RATIUS RD -FINEST VILLA-」の躯体構造は、ヘーベルハウスの2F建て住宅専用に開発された「重鉄制震・デュアルテックラーメン構造」。FREXモデルで知られる重量鉄骨を剛接合した強靭なラーメン構造に、CUBICモデルで実績のあるハイパワード制震ALC構造をベースにした制震システムを搭載している。制震フレーム「ハイパワードクロス」に加え、新たに「アダプティブジョイント」と「フレキシブルジョイント」の2つの新技術を導入し、地震の際にかかる基礎への負担をより低減することに成功。この高い耐震機能によって、縦横に広がりのある大空間・大開口を生み出しているのだ。

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SPACE DESIGN

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HIGH-CEILING
「FINEST VILLA」には、重鉄のレジデンスにさらなる広がりと奥深さをもたらすヘーベルハウス独自の創空間アイデアが込められている。まずは高天井によって縦へと伸びる心地よい住空間。大らかな横への広がりに見合った高さをLDK全体に加えることで、低重心の落ち着いた空間のなかにも豊かな開放感が生まれる。この、ほどよい空間の余白が別荘感覚のくつろぎをもたらしてくれるのだ。

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天井全体を高くしたLDKは縦横へ大らかに広がり、大開口からはたっぷりと自然光を招き入れている。屋外のアウトドアリビングは床を部分的に下げることで開放感と安心感が同居する特別な居心地に。2Fリビングは天井を部分的に高くして面積以上のゆとりを実現。天井高に変化をつけた空間構成は、心地よい広がりとともに、家族が思い思いの時間をくつろいで過ごせるよう工夫された結果である。

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WIDE VIEWING
天井の高さに連動した「ハイサッシ」と「コーナービューウィンドウ」が、室内に一層の開放感をもたらす。大開口が景色を広く切り取り、内と外の空間のつながりをシームレスにしてくれると同時に、たっぷりさしこむ自然光によって、空間全体がやさしい温もりで満たされる。週末のブランチタイムが充実しそうな、また家族の絆が深まりそうな空間演出だ。

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OUTDOOR LIVING
1Fの室内リビングと隣接したアウトドアリビング。光溢れるこの空間は、床の高さを下げ、外構の植栽によって周囲からの視線を遮ることで、心置きなくくつろげるよう演出が施されている。家族が自然と集まる第二のリビングであり、仲間を呼んでBBQを楽しむパーティー空間でもある。ウッディな家具をレイアウトし、ここでも別荘感覚を存分に味わいたい。

VILLA STYLE

KEY WORDS: WOODY TIMELESS NOISELESS

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天然木の温もりと風合いを美しい意匠で表現したヘーベルハウスの「VILLA STYLE」。オークとウォールナットをチョイスできる、天然木の柔らかな表情をインテリアに生かした演出。ウッディな温もりや明るさを生かしながら、どんな嗜好にも寛容で、時代や流行に追われないナチュラルでロングライフな室内空間を生み出している。さらに、床、壁、天井、建具などの細部にわたり、天然木の素材の良さを生かしながらも造作を主張しすぎない、抽象化されたインテリアが確認できる。飽きの来ない、いつもそこに身を置くだけで日常から解放される空間にふさわしいインテリア構成、という印象を受ける。

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INTERVIEW
新しい価値観に呼応するインテリアデザインの秘密

「RATIUS RD -FINEST VILLA-」の室内を見渡すと、不思議なほど心地よい気分に包まれる。「VILLA STYLE」と呼ばれるそのインテリアのデザインコンセプトや意図について、旭化成ホームズ 技術本部 商品企画部の杉原香菜さんにお話をうかがった。

「FINEST VILLAには、フローリングはもちろん、室内の壁や天井にもふんだんに天然木を採用しています。ここ数年は、住宅にもパラダイムシフトのような動きが起きはじめていて、特にアッパー層のなかには、ラグジュアリーなインテリア志向とは別に、自然美や上質な素材に価値を見出す志向が芽生え始めているように感じられます。そういった方々に向けて、本当に心地よいものとは何かを考えながらインテリアを構成しました。同時に、コロナ禍の影響で、家づくりの興味やこだわりが高まるなか、癒しや寛ぎといったキーワードが求められてきていることも、このテーマにつながっていると思います」

 サステナブルやSDGsといった今の時代を象徴するヒットワードが飛び交うなか、単にそのトレンドに乗じて考案されたインテリアではないことがわかる。住む人が心地よく暮らせる家という根源的な部分をしっかりすくい取っていることを、室内のディテールに読み取れるからだ。杉原さんはつづける。

「メインに使用している木材は、軽やかで明るい印象のオークと、重厚さと格式を備えたウォルナットです。いずれも、クリーンでヘルシー、それにタイムレスな雰囲気を際立たせてくれます。ロングライフな住宅であることを考えたときにタイムレスというポイントはとても重要で、時代性や流行を追わない普遍的なデザインに配慮しました。全体的には、天然木の味わいを活かした大きな木の器というイメージを大切にしています」

 その結果、北欧スタイルの家具に限らず、インダストリアルでも、和モダンであってもすんなりフィットする、包容力があるレジデンス空間が生まれている。

ウッディなインテリア
FINEST VILLAの室内空間でまず目につくのは、オークとウォールナットを生かした美しいインテリア。室内空間に森の安らぎをもたらしてくれるようなウッディな演出である。ヘーベルハウスは計画的に管理された認証木材のみを厳選し、サステナブルな良木を無駄なく使う工夫と徹底管理によって、この「VILLA STYLE」のレジデンスにマテリアルを安定供給している。

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Oak
オークの別名はKing of Forest。森の王の名に相応しい強さと光を感じさせる、大らかで明るい色合いが魅力。健やかな暮らしをイメージさせる銘木だ。VILLA STYLEでは、オークを「ルオム」(フィンランド語で「自然に従う生き方」や「オーガニック」などの意)と表現する。

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Walnut
ウォールナットは、淡い白太が所々に混じり、穏やかな曲線を描く木目が優美。重厚感のあるシックな色合いで、格式の高さを感じさせる。VILLA STYLEでは、ウォールナットを「アルモ」(フィンランド語で「自然への畏敬」や「神の恩恵」などの意)と表現する。

美しくタイムレスな建具
VILLA STYLEに採用される様々な建具には、家の中のどこにいても自然を感じられるよう、天然木をふんだんに使用している。家族が出入りするための機能的役割だけではない、光や風も取り込みながら、木の良さを生かしている。研ぎ澄まされた技術と、五感に心地よくアプローチするタイムレスなデザインが、豊かな暮らしをサポートしてくれるのだ。

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「間仕切連動4枚引違戸」(WSタイプ)
レールを上部に設置した上吊式の引違戸で、4枚の扉がスムーズに連動し、大きな開口を確保する。閉めたままでも通気性が良いルーバーデザインは、居室や中廊下にも柔らかな光と風を通し、リゾート感のあるスタイルを創出している。

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木目の迫力
きりりとして、整然と真っ直ぐな「柾目(まさめ)」。幾重にも重なる曲線が大らかな印象の「板目(いため)」。その二つの魅力を備えた「追い柾(おいまさ)」。この3 種類の挽板を組み合わせた美しい建具。多様な美しさをなぞらえるため、趣きの異なる木目を選び、ランダムに組み合わせているのだ。この洗練されたモダンな雰囲気に仕上げる秘密は、溝にある。継ぎ目に施された溝は幅が2mm、深さは1.5mm。試行錯誤してベストな寸法を割り出した微細な溝を入れたことで、品のある立体感を実現している。

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格子パネル
差し込む光の温もりや清々しい風が行きわたるように、室内空間全体を緩やかに仕切る格子パネルのパーテーション。天然木の洗練された木質感と強度を保ち、繊細で美しいフォルムに仕上げている。その他、天然木の温もりが感じられる玄関収納や、木質感を生かしてあらゆる空間に調和する収納建具など、ウッディでタイムレスなデザインの建具がある。

INTERVIEW
自然美を引き立たせノイズを消し去る創意工夫

「VILLA STYLE」は、天然木の使い方が印象的だ。その創意工夫のひとつひとつが居心地のよさに結びついているように感じられる。たとえば、木貼の天井や木貼の壁には幅の違う板材をランダムに貼る手法を取り入れているが、杉原さんはこう指摘する。「不揃いゆえの自然さを演出することによって、1枚1枚の板材が逆に目立たなくなり、1枚の壁のように見える効果があります」

 ミリ単位で均一に整えられた意匠は、悪くないのだが、どこか整いすぎていて人工的な空気感も漂いがちだ。大中小の幅の板材をあえてアンバランスに組み合わせた木目のゆらぎを見ていると、すっと気持ちが落ち着く。

こういったディテールに、自然の風合いを上手に引き出していることを読み取れるのだ。「ノイズレスという言葉もキーワードです。建具ひとつをとっても、(場合によっては悪目立ちしがちな)丁番を隠し丁番にしたり、巾木を極力薄くしたり、木貼の壁と建具が連続して一体に見えるよう工夫するなど、できるだけノイズを抑えるような設計を心がけました」。デザインや造作を主張しすぎないインテリアデザインも、心安らぐエレメントになっているようだ。

 フローリングにもこだわりがある。「今回、標準仕様として新しく開発したのが180mmの幅広の挽板フローリングです。長さは1818mmで、LDKなどの大空間をさらに広く伸びやかに見せる効果があります。また、このフローリングは、木目の凹凸を浮き立たせ、天然木の味わいを引き出す『浮造(うづくり)仕上げ』によって完成していますので、足触りがよく、素足で歩くのにも最適なのです」

 天然木を使用したインテリアゆえ、経年変化も永く楽しめるだろう。室内にいながら木の温もりに包まれ、森のやすらぎを感じるような空間。杉原さんは最後にこう締めてくれた。「これまでは、見せたいという"自己主張"の家づくりが主流だったように思います。しかし、これからは、人に見せるよりも自分が本当に心地よく暮らすための、良い意味での"自己満足"を追求する家づくりに変わっていくのではないでしょうか」。

「FINEST VILLA」とは、贅沢の価値基準を変えてくれる家なのかもしれない。

幅広のフローリング

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「VILLA STYLE」に採用された床は、幅広で「浮造仕上げ」によって完成した挽板フローリング。柔らかな夏目を特殊なブラシで削り取り、冬目を残す伝統の技によって完成している。木目の凹凸を浮き立たせ、天然木の豊かな表情をより鮮明に引き出しているので「浮造仕上げ」と呼ばれるのだ。さらりと心地よい素足の感触も木の質感に忠実な匠のこだわりである。

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使用する床材は幅180mm、長さ1818mmの継ぎ目のない一枚板。木目や色のグラデーションが豊かで迫力あるが、これほど大きなサイズになると、反りや寸法の狂いが生じやすくなるのが課題。そこでヘーベルハウスでは独自の乾燥技術によって、挽板と下地の合板の含水率がぴったり同じになるように調整して仕上げている

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オーク材の挽板フローリング
VILLA STYLEに使用されるオーク材の挽板フローリングは、白さが際立ち、ナチュラルな質感のヨーロピアンオークを使用している。光あふれる大らかで明るい色合いが特長のフローリングだ。

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ウォールナット材の挽板フローリング
暗褐色の美しい木肌と、所々に混じる淡い白太が穏やかな曲線を描くウォールナット材の挽板フローリング。他の樹種ではなかなか表現できないノーブルな質感が、幅広のフローリングによってさらに際立ってくる。

アンバランスな壁や天井の美
VILLA STYLEの空間を印象づける壁や天井にも、天然木を惜しみなく使っている。模様が異なる板材は、大中小の幅を組み合わせたアンバランスなデザイン。リラックス効果があるといわれる木目のゆらぎ感を表現しているのだ。

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木貼天井材
洗練された落ち着きと高級感をもたらす木貼の天井材。天井全体でなく、一角にアクセントとして使うだけでも十分に際立つ意匠だ。アンバランスなデザインを生かした木目の美しさを楽しめる。

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木貼壁材
温かみのある自然の色合いと木目の繊細な美しさが、住まう人の心を和ませる木貼の壁。時が経つほどに空間になじみ、風合いを増していく奥深い木質感が魅力。ここでも大中小の幅を組み合わせたアンバランスなデザインが生かされている。

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家具調キッチン
VILLA STYLEのキッチンは、機能性と家具調の意匠を兼ね備え、木質豊かなリビングダイニングと趣きを合わせたデザイン。収納扉には天然木の柔らかな風合いが魅力の突板を使用。食器棚は扉の上部に指の形状に合わせたJ 型の溝を削り、突板をその曲面にも貼り込むことで、意匠性の高い取手レスな扉を実現している。また、天然水晶の粒から作られる高級人造石「クォーツキッチンカウンター」(下写真2点)は、石材加工の特殊技術と高密度な成型技術でクォーツならではの奥行きと透明感のある輝きを引き出している。

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LONGLIFE IN YOUR ROOM

家のあちこちからほんとうの贅沢が見えてくる。

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HailMaryこちらのコラムはHailMary2023年3月号に掲載されています。

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