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新時代のモデルハウスが教えてくれた
Reason for Comfort

HAUS

快適に過ごせる都市型住宅の
ディテールが詰まった体験型モデルハウス。

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 今回訪ねたモデルハウスは、ヘーベルハウス池袋千川展示場。ヘーベルハウスの住まいづくりへの思いや歴史を五感で感じることのできる最新の体験型展示場だ。1Fは、「学べるHAUS LIBRARY」をテーマにしたギャラリーが広がるフロア。

 重鉄の住まいを代表するヘーベルハウスのFREX。その強靭な躯体構造を生かし、2Fは自在な間取りによって生まれたリアルサイズのプライベート空間を、また3Fはアウトドアリビングに接続した開放的なファミリー空間を存分に体験できるようデザインされている。「おうち時間」の増加にともなう家庭での仕事・家事・教育の変化に対応した部屋づくりや動線をチェックできるほか、木の温もりを感じる上質なインテリアや室内から見渡せる植栽のレイアウトも見逃せないポイント。『The HAUS BOOK』の大きなテーマである「自然と共存する都市型住宅」の姿を具体的に学ぶことができる。われわれダッズ世代にとってありがたいのは、篭り感抜群の書斎やホームジム。さらに「ロングライフ全館空調」を採用した最新の設備を通じて、快適な住まいを実感できるのもうれしい。

 さて、取材当日は朝から雨に降られた。3FのLDKに接続するアウトドアリビングの窓はしかたなく閉じたままの撮影になるなと腹をくくったが、撮影開始後1時間がすぎたところで雨はパタッとやみ、雲の切れ間から青空がのぞきはじめた。気の利くスタッフがアウトドアリビングの床に貯まった雨水をカーリング選手のように素早くモップでスイープしはじめる。するとしだいに床は乾きはじめ、30分もするとほとんど表面に水気がなくなった。樹脂製の屋外デッキの性能には驚いたが、あらためて見ると無垢のデッキ材と見紛う風合いだった。そのフロアに急いでアレンジを施し、フォールディングウインドウを全開にして撮影したのがこの写真である。

LDK / 3F

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ヘーベルハウスの重鉄構造の邸宅「FREX」の強靭な躯体を活かしたダイナミックな居住空間。モダンかつウッドの味わいを生かしたインテリアの見立てもすばらしい。リビング、ダイニングキッチン、そしてアウトドアリビングまで柱や壁で仕切られることなくシームレスにつながっている。ワンフロアをひとつの大空間に見立てて使うことができ、窓を全開すれば最高に心地よい居住空間が広がる。植栽あふれるアウトドアリビングを光や風が通り抜け、まるで別荘で過ごしているような安らぎをもたらしてくれる。心の豊かさを養ってくれる空間であり、これだけ開放的ならば大型犬だってストレスなく過ごすことができるにちがいない。

1F

池袋千川展示場の1Fは展示ギャラリーが充実
 2023年5月にオープンした池袋千川展示場に建つヘーベルハウスのFREX3F建てモデル。この邸宅の1Fスペースは、「HAUS LIBRARY 学べる展示場」という新しいコンセプトを掲げている。これから家づくりを真剣に考えている人にとっては必見のギャラリースペース。「ライブラリー」のスタンスで、ヘーベルハウスの全カタログや各種設備メーカーのカタログをストック、家づくりに関連する一般の書籍(照明、植栽、外構などに関する書籍)も取り揃えており、幅広い視点から家づくりを学べ、将来的なプランを具体的かつ綿密に練ることができる。書籍などの参考資料は随時アップデートされ、今後さらに充実していくという。もちろん専門スタッフとの打ち合わせや相談をするスペース、来場者や見学者のウェルカムスペースとしても機能している。

 また、タッチパネルなどを駆使してヘーベルハウスの特長や特性を見て触って学べる体験コーナーも併設。ヘーベルハウスに関連するさまざまな情報や知識、また過去の施工事例などにも楽しくアクセスできるよう工夫が凝らされている。ぜひ家族で訪ね、体験してみてほしい。

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広々としたエントランス。ヘーベル版で造作した左官壁にはこの地域のアートマップが飾られている。

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見て触れて体験できる「HAUS LIBRARY」をコンセプトにした展示ギャラリー。

LIVING / 3F

3Fのリビング(12帖)は、隣接するダイニングキッチンよりもフロアレベルが一段高くなっていて(アウトドアリビングとフラットにつながる)、ハイルーフユニットを採用。床と天井の高さをゾーンによって変えることで、LDKにリズムを与えている。また、背面を壁で囲い、照明も押さえ、篭り感を持たせているのも特長だ。

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ソファに掛けたジャガードブルーのウールブランケット。フロアに敷いたネイティブモチーフのラグ「Churro」(いずれもBasShu)

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この展示場の完成にあたり自然由来の素材を用いて描いてもらったという作品。棚に飾られたオブジェも自然由来をテーマにした作品で統一しており、この空間に落ち着きをもたらしている。

OPTION
リビングのソファのサイドにセットされていたオットマンを外し、壁には赤をベースにした油絵を額装してアクセントをつけたヘイルメリー流アレンジ。数か月に一度、こういうチェンジも楽しみたい。

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油絵はギジェルモ・ヌニェスというキューバ出身の画家の作品。(Sonechika)

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ありそうでない風合いのよいシャンブレー生地のクッションカバー。播州織りの生地を用いじっくり時間をかけて織り上げた綿100%の良品。(BasShu)

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3Fリビングの右奥にはヘーベルハウスオリジナルのロングFIX窓を取り付けてある。篭り感を邪魔しない程度に、ほどよく採光できるのがポイント。モデルハウスはこういったディテールもじっくりチェックできるからうれしいのだ。

DINING KITCHEN / 3F

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3Fのダイニングキッチンは20帖。大判の床タイルにナチュラルな素材の照明器具・小物をあしらった、落ちついた空間。リビングからつながるハイルーフユニットの間接照明が効いているが、同時に木貼り天井によってキッチン(下部写真)とのつながりも持たせている。吊るされた5つのペンダント照明も美しい。アイランド型キッチンは洗練されたモダンな意匠。ウッディな天井や食器棚との相性も良く、調理タイムが楽しくなりそうな空間だ。

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OUTDOOR LIVING / 3F

重鉄・システムラーメン構造のFREXのポテンシャルを体現する、開放感あふれる3Fのアウトドアリビング。リビング側とキッチン側に設置したフォールディングウインドウを全開にすれば"自然との共生"をより感じることができる。アウトドアリビングの中央部は天に開いているので、たっぷり光が入り込む。グリーンをたっぷり生かした空間なので、今回はジャングルチックなヘイルメリー流アレンジを施してみた。

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緑豊かなアウトドアリビングにアレンジしたガーデンチェアはRace Furnitureの「アンテロープチェア」、ゼブラのラグ、ロッヂの木製サイン(以上Sonechika)

BACKROOM / 3F

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3F書斎のフロアにはヴィンテージのキリムを敷いてアレンジ。(Sonechika)

3Fのキッチンの収納棚の裏側には、デイベッドを設えた隠れ家のような書斎がある。この書斎に付帯する小さなロッジアには、目隠しの役目をしながら周囲の自然環境と調和をはかる植栽を設置。さらにこのスペースの入口には、愛犬が寛げるドッグスペースをさり気なく備えている。こういった自在なレイアウトが叶うのもヘーベルハウスらしい一面だ。

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STAIRS

1Fから上階にかけての階段スペースにはロングFIX窓が配され、自然光がふんだんに入る設計。明るい光は清潔な漆喰壁を照らし、手塗りならではの表情豊かな質感を浮き立たせている。この壁面もチェックポイントだ。

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SUB LIVING

ヘーベルハウス池袋千川展示場の2Fスペースには、狭小住宅にも対応するリアルサイズの個室を見学することができる。このような小ぢんまりとしたリビングルームもなかなか魅力的なのだ。広さはおよそ7帖。窓の向こうの植栽のレイアウト、さらに手前に見えるウッドの格子パネルの使い方も絶妙。「ロングライフ全館空調」を採用しているため、エアコンがなくてすっきりした部屋の印象だ。

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ソファに掛けたバンダナレッドのブランケットは、BasShuが今治の老舗「玉井タオル」に別注したアイテム。(BasShu)。フロアはカウラグを使ってアレンジ。(Sonechika)

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ウッドの格子パネルが廊下とリビング内にほどよい仕切り感をもたらしている。同時にこのパネルは木の温もりを感じさせてくれる効果もある。

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リアルサイズの室内には細身のシェード型フロアライトで味付け。グリーンとの相性も考え、柔らかい光を演出してみた。(Sonechika)

SOUND PROOF ROOM

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2Fにある3.7帖の狭小スペース。床や壁、天井に吸音材を使用した防音仕様の部屋で、採光窓にもペアガラスを用いて防音効果を高めている。ギターを弾き鳴らし、比較的大音量でレコードを聴いても室内外に音漏れしにくい。外からの雑音もしっかり遮断するので、リモートワーク、読書、プラモデルづくりなど集中作業にも向いている。L字型のデスクを効果的に使用している点と、ほどよい採光を得られるロングFIX窓も要チェックだ。

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IONのレコードプレーヤー「Archive LP」はリーズナブルながらUSB端子、ステレオ・スピーカーを搭載したオールインワン型ターンテーブル(参考アイテム)、奥に見えるタイプライター(いずれもSonechika)

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防音仕様のドア。室内は「ビートルズ好きの主人の隠れ家」をイメージしてアレンジした。

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ハーマンミラーのチェアと『アビーロード』のポスターは編集部スタッフ私物、デスク下に収めたリモアのクラシックスーツケースはヴィンテージ品(Sonechika)

HOME GYM

2Fのユーティリティスペースは、ランドリーコーナーとその奥にホームジムを備えている。床材にコルクを使用しているため、足裏に優しく、裸足でも心地いい。ランドリーまでは閉じているが、ホームジムは屋外の景色を眺めながら気持ちよくトレーニングできるよう開いている。縦長空間のメリットを上手に生かした間取りだ。

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ユーティリティスペースと廊下を仕切る引き戸に採用しているのはヘーベルハウスオリジナルのブラックフレームスクリーン。細いフレームにガラスを大きくとることで開放感をもたらし、廊下にも光をたっぷりと取り込む。

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ユーティリティスペース前の廊下を活かしてファミリークローゼットを設置。空間を効率的に使い、家事動線を短縮するアイデアのひとつだ。

空間美も助ける全館空調システム
2Fフロアには、ヘーベルハウスが新たに提案する「ロングライフ全館空調」を取り入れている。フロア全体を快適な温度に保ち、きれいな空気を循環させるシステムだ。住む人の健康維持にも役立つほか、エアコンの室内機を設置する必要がなくなるため、インテリアをすっきり見せる効果もある。

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木製可動ルーバー付きの引き戸もチェック
2Fのバスルーム&洗面と廊下を仕切る上吊式の引き戸は、自由に開閉具合を調整できる可動ルーバー付き。光や空気の流れを自由にコントロールできる。繊細な職人技を感じさせる、ヘーベルハウスオリジナルの建具だ。

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BEDROOM / 2F

2Fの寝室は8.8帖。贅沢に使用した天然木のぬくもりが安らぎをもたらしている。木の壁の向こう側には回廊式のウォークインクローゼットを備える。「ロングライフ全館空調」によってエアコンの存在が消え、プロジェクターを活用することでテレビの存在もなくしているため、ノイズレスなインテリア空間に仕上がっている。バーチカルブラインドや天井部の間接照明の使い方も勉強になる。

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ベッドに味つけしたパッチワークキルトカバーは1900年代初頭のアメリカンキルトの素朴な風合いをモチーフにしたもの。(BasShu)

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天井と天井部のウッドパネルの間に空調の吹出口を発見。きれいな空気がつねに循環しているので心地よく就寝・起床できるのだ。

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室内を暗くしてプロジェクターに映像を照らしてみた。間接照明を消さなくても十分クリアな画像を楽しめる。仕事で疲れた身体をリラックスさせるには絶好のシアター空間だ。

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WIC 奥に見えるジェームス・ディーンのポスター(Sonechika)

ヘーベルハウス 池袋千川展示場
HEBEL HAUS FREX3 IKEBUKURO SENKAWA MODEL

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ヘーベルハウス 池袋千川展示場
HEBEL HAUS FREX3 IKEBUKURO SENKAWA MODEL

東京都板橋区向原1-5-6
tel.03-5926-8133(10:00-17:00 火・水定休)
※写真の設えと実物は一部異なります

取材協力:
Sonechika
BasShu

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HailMaryこちらのコラムはHailMary2023年12月号に掲載されています。

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