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レンガ造りの家が、ヘーベルハウスの原点にあることを知っていましたか?

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ヨーロッパでは、百年、二百年の単位で住居の建材が受け入れられ、進化してきたという歴史がある。
いまでもよく見られるレンガ造りの家は、石造りの家が進化したものであり、17世紀半ばから英国やオランダなど石材が豊富ではない国を中心に広まった。
その大きなきっかけは、1666年に起きたロンドン大火だった。

大火は4日間にわたって燃えつづけ、市内に建つ家屋の85パーセントにあたるおよそ1万3200戸が焼失。
その結果、木造建築が禁止され、代わりに耐火建材としてレンガを使用した建物が急速に普及していった。
しかしレンガ造りの家には、素材を高温で焼く製造工程に都市の環境悪化を招く恐れがある、という問題も残った。

その問題がクリアになったのは、ロンドン大火からちょうど二百年後の1866年。
英国で、珪砂と石灰石を混ぜてオートクレーブ養生した新しいレンガ「サンド・ライム・ブリック」が発明されたのである。
美しい白色を放つサンド・ライム・ブリックは、英国だけでなくオランダでも普及し、一時期はアムステルダムを中心に新建築物のおよそ70パーセントを占めていたという。

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ロンドン市内には1666年に起きた歴史的大火災「ロンドン大火」の記念塔が建つ。
塔のたもとには記念碑もあり、いまでもその石碑には誰からとなく市民が水をかけにやってくる。

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1900年代に入ると建材の歴史は新たなページを開く。
スウェーデン王立工科大学のヨハン・アクセル・エリクソン博士が、サンド・ライム・ブリックをベースに「ALC」と呼ばれる軽量気泡コンクリートを発明するのだ。
ALCは軽量ゆえにブロックの大型化が可能になり、「レンガ12個分の作業が1作業で終える」ほど作業効率が高まった。

さらに、戦火に荒らされた第二次世界大戦後のドイツで、このALCブロックの内部に鉄筋を入れ、パネル化に成功したのがヨゼフ・ヘーベルだった。
19世紀にレンガがサンド・ライム・ブリックへ、20世紀にサンド・ライム・ブリックがALCへ進化、さらにALCのパネル化=ヘーベルウォールの誕生によって、住宅建築に革命が起きた。
ヘーベルウォールはその後ドイツとは別に、日本で独自の研究開発が重ねられ、耐火耐震能力はもちろん、地球環境にも優しい建材としてその精度を高めている。

そしていま、ヘーベルウォールに原点回帰ともいえる新しい壁が誕生した。
それは、これまで「最難関色」と言われつづけてきた、耐久性を備えた赤レンガ色の壁である。
独自の塗料と技法によって完成したこの新しい壁は、「ブリックバーミリオン」と名付けられた。
ブリックはレンガ、バーミリオンは朱色を指す。
だから、この壁の向こうには、最強の家創りを行ってきたヘーベルハウスの、歴史へのリスペクトと、限りない挑戦心と、ゆるぎない自信が横たわっているように思えるのだ。

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HailMaryこちらのコラムはHailMary12月号に掲載されています。

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