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私的な趣味も家族の人生も充足させる家 LIVING FREE

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住まう人のスタイルに合わせ4つのゾーンを体感できる重鉄モデルをHM流にアレンジ

 今回は、川崎市の新百合ヶ丘にある住宅展示場に建つヘーベルハウスのFREXモデルを訪ね、ヘイルメリー流アレンジを施した。3F建てのこのモデルは、タイプの異なる4つのゾーンを一度に体験できる、多彩でユニークな設計が見どころ。理想の住まいをシミュレートしながら、小家族、大家族別のハウスプランを見学できる。まずは、重鉄・システムラーメン構造による強靭な躯体を生かし、自由度の高い空間演出を施した二世帯邸宅(親世帯と子世帯の2ゾーンに分けて掲載します)。1Fは親世帯仕様の和モダンでシックな佇まいのフロア。2~3Fは子世帯仕様の居住スペースで、リモートワークにもってこいの書斎、ホテルの一室のような寝室、防音ルーム、さらに46帖に及ぶ大リビング空間が見学者を出迎える。一方、あらかじめ用意されたプランや設備から選ぶセレクテッドパッケージスタイルの「my DESSIN」ゾーンも充実している。リアルサイズの空間設計を実現していて、とくに30代の読者にはおススメだ。さらにこの建物の3F部にはリアルサイズの賃貸スペースも設計されている。これを合わせて4つのゾーンを見学できるのだ。

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ZONE 1
二世帯邸宅/親世帯住居ゾーン
Housing for GRANDPA'S Generation/2-family house

ダウンフロアリビングを活かした和モダンなLDK

 まずは、二世帯邸宅の1Fに広がる親世帯住居ゾーンから見ていこう。このゾーンはナチュラルなウッドと白壁を生かした和モダンな空間で、部屋全体のデザインは、いわゆる和のエッセンスと北欧的スパイスを組み合わせたジャパンディスタイル。和風の小物を飾っても欧風のファニチャーを置いても寛大に受け入れてくれる住まいだ。キッチンサイドにある茶道具のコーナーや、ダイニングテーブルとは別に誂えた専用のワークスペースなど、ダイニングキッチン周りが趣味と使いやすさを両立した設計になっている点もうれしい。LDK全体で約25帖あるが、リビングの開口部によって目線が屋外にも向けられるので一層空間の広がりを感じる。フロア全体にのっぺりした印象がないのは、リビングをダウンフロア仕様にして空間にアクセントを利かせているためである。

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縦空間の広がりを演出するダウンフロアリビング。広さは9.2帖。落ち着いた石調のタイルを敷き詰め、クリーンで心地よい空間を作り上げている。白壁を上手に活用し、空間の心地よさを演出している。この壁をスクリーンに見立て、プロジェクターを使って大画面を楽しみたい。誰にも邪魔されずに寛げるミニシアターで、美味しいお酒を嗜みながら...

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清潔感漂う白壁が印象的なエントランスホール。正面には花や置物を飾れるディスプレイ台を備えているので、さて今日は何を並べてみようかとあれこれ考えるのが楽しくなる。手すりと腰掛のさりげないデザインもお見事。

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ダイニングキッチンは15.6帖。円形4席のダイニングテーブルを置いてもこの余裕。ヘーベルハウスのオリジナルキッチン・食器棚を採用し、インテリアとの調和性が高い。ナチュラルトーンのインテリアが落ち着きをもたらす。左の棚に飾ったプリミティブスツール、タイガー手廻式計算機、ペガサスの置物(いずれもSonechika)。

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天童木工のインハウスデザイナーだった菅澤光政氏がデザインしたロッキングチェア。見た目の美しさや使い心地を考慮し、肘掛のカーブは局所的に厚みを変える「不等厚成形」の技術を用いている。彫刻家イサム・ノグチ氏がアトリエで愛用していたことでも知られる。同じく菅澤氏デザインのオットマン(いずれも天童木工)

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こだわりの茶道具をセットした大人の趣味コーナー。キッチンサイドにもこのような趣味空間を作れるのはうれしい。

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左:1923年の発売後「虎印計算機」として愛されたタイガーの手廻式計算機。クランク・ハンドルを回しながら計算する。(Sonechika)
右:丹下健三氏によってデザインされた「イージーチェア」。立体的でボリューム感あふれるフォルムは一枚の成形合板によって完成している。(天童木工)照明はチーク材を束ねてスタンドにしたダリールズの「TRUNK FLOOR LAMP」(Sonechika)

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ちょっとした作業ができるワークスペースにはさりげなく愛犬の隠れ部屋も確保。アクセントとして置いた赤いテーブルランプはカルテルの銘品「テイク」(Sonechika)

ZONE 2
二世帯邸宅/子世帯住居ゾーン
Housing for DAD'S Generation / 2-family house

篭り感抜群の寝室&書斎から大開放LDKまで自由自在の空間演出

 二世帯邸宅の2Fおよび3Fは子世帯を想定した住居ゾーン。夫婦のほかに子どもが一人いる想定だ。2FにはオープンなWIC付きの主寝室があり、篭り感抜群の書斎が連なっている。また、このフロアには気兼ねなく楽器練習や音楽鑑賞ができる防音ルームも配備。3Fに上がると大空間のLDKとアウトドアリビング「そらのま」が広がる。籠れるスペースと開放的スペースとのメリハリが効いた設計の住まいだ。3FのLDKは親世帯と子世帯の家族が一堂に集えるのはもちろん、大人数のホームパーティが開けるほどの広さ。これまでアレンジしてきたモデルルームのなかでも最も広いリビングスペースで、一見の価値あり。FREXならではの自由度の高い空間演出の醍醐味を体感できる。

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8.1帖のベッドルームには、ルーバーによって仕切られた2.5帖のWICが付帯。奥の書斎にもひとつながりで、ホテルのスイートルームのような印象だ。ベッドの上に置いたヴィンテージトランク(Sonechika)。ギターはヤイリの「YOE-28」クラプトンモデル(参考アイテム/クロサワ楽器日本総本店)。US NAVYのブランケットはスタッフ私物

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主寝室からつづく書斎は4.5帖。備え付けのデスクとシェルフによって無駄がなく省スペース化を実現。サイドの開口部からは自然光が射し込み、一層の心地よさをおぼえる。フローリングはグレイオークのヘリンボーン柄を採用。デスクの上に置いた水中カメラは「NIKONOS Ⅳ」(15/2.8)、棚の上の二眼レフカメラは「MAMIYAC33」(105/35)、その他のカメラは参考アイテム(いずれもGTCAMERA)。椅子はヴィンテージのエメコ「ネイビーチェア」をアレンジ。(Sonechika)

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楽器演奏や音楽鑑賞を気兼ねなく楽しめる防音室も設けている。床・壁・天井の防音性能を高め、窓には二重サッシ、出入口には防音ドアを採用。子供部屋としても大人の趣味部屋としても活用できそうだ。

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1Fから2F、2Fから3Fへと続く階段の仕切り壁にはガラスを採用。光をさえぎることなく、階段も室内も明るさを保ち、圧迫感を与えない。階下まで光が回るので、そこにグリーンを置いても絵になる。

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3Fにレイアウトされた洗面&バスルーム。洗面ボウルを2つ設置し、バスルームの扉はガラス張り。ハイクラスのホテルに似た仕様で贅沢感を演出している。

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堅牢な重鉄・システムラーメン構造を採用したFREXモデルの強みを感じる。46.4帖の広さをもつこのLDKは、耐力壁もなければ柱もない。さらに通常より天井高をアップしたハイルーフユニットを導入しているため、縦にも贅沢な開放感が生まれている。

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アウトドアリビングの「そらのま」。屋外とゆるやかにつながるスペースとして、巨大なリビング空間にさらなる開放感をもたらしている。1Fに住む両親や気の合う仲間を招いて野外料理をふるまうのも楽しい。

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室内リビングに持ち込んだW.クラクストンの大判写真集「JAZZ」(編集部私物)

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キッチンから「そらのま」に直行できるので料理やお酒のサーブにも便利。

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リビングサイドの窓からは心地よい陽射しがさしこみ、塗り壁に美しいコントラストをもたらしている。

ZONE 3
セレクテッドパッケージスタイル「マイデッサン」ゾーン
my DESSIN / Selected Package style

プロのノウハウが詰まったリアルサイズのmy DESSIN

 この建物には、二世帯邸宅ゾーンとは別に「my DESSIN」(マイデッサン)という住居ゾーンがある。my DESSINとは、ヘーベルハウスの長年の設計ノウハウを生かしたセレクテッドパッケージスタイルの家づくりプランのことで、230以上ものプランが用意されているという。誰もが使いやすい間取りを厳選して届けるプランであり、スピーディで効率の良い家づくりも可能にしてくれる。新百合ヶ丘モデルは、半屋外空間「そらのま」付きの2Fリビングプラン。LDKはゆとりを感じる18.6帖の広さで、使い勝手もよさそう。「そらのま」はガーデニングを楽しむ庭としてはもちろん、アイデア次第でリビングとしてもダイニングとしても応用できる。

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my DESSINゾーンは、1Fに玄関・主寝室・子ども部屋を配置。階段を上がると2FにオープンタイプのLDKが現れる。

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左:キッチンからリビングルームを望む。ダイニングテーブルに敷いたチマヨラグは参考アイテム(LUCKY JOHN)。MoMAのポスター(Sonechika)
右:鍵などをかけておくのに便利なアイアンフレームのウォールラック(Sonechika)

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LDKにつながる「そらのま」は小ぶりなサイズで篭り感がありながら、天が開いているので心地よさ満点。スカイウォールによってプライベートも確保できている。

ZONE 4
賃貸ルームゾーン
Room for Rent

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犬の隠れ家までセットされた賃貸スペースをじっくり見学

 新百合ヶ丘モデルでは、前出の二世帯邸宅ゾーンとmy DESSINゾーンのほかに、もうひとつ住宅プランを見ることができる。3F部の一室が賃貸ルームゾーンになっているのだ。リアルサイズの部屋なので、賃貸併用住宅を想定している人にとっては完成形を想像しやすく、部屋のレイアウトも参考になる。広さは12.3帖で、ペット共生賃貸を見据えて愛犬の居場所も確保しているという想定。ここ数年は、建物の一部に賃貸住宅を取り込むことで安定した家賃収入を得る賢い住まい方を選択する人が増えているが、この部屋をチェックすると、ただ部屋を貸すのではなく、入居者が住み続けたくなる部屋を提供することの大切さがわかってくる。そんなことも教えてくれるモデルハウスなのだ。

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ヘーベルハウス新百合ヶ丘展示場 FREX3

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ヘーベルハウス新百合ヶ丘展示場 FREX3
住所:神奈川県川崎市麻生区万福寺4丁目3-1
tel. 044-322-8001(10:00-17:00 火・水定休)
※写真の設えと実物は一部異なります

取材協力:
Sonechika
天童木工
GT CAMERA
メトロクス
LUCKY JOHN
クロサワ楽器日本総本店

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HailMaryこちらのコラムはHailMary2022年11月号に掲載されています。

※屋上で火気使用する際は、屋上防水シートへの飛び火対策のため耐炎性のある焚火シートなどを敷いてご利用ください。

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