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居心地の良さは研究の彼方に宿る ~SPIRIT OF STUDY FIRST~

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THERE MUST BE A REASON.

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背後に並ぶカンパニーロゴに、
研究第一主義のスピリットを見た。

PRESS CONFERENCE. 09/OCT/2019

 

OVER THE WORLD

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ドイツで発明されたそのマテリアルは、
日本で研究が進み、最強の壁となった。

 

OVER THE WALL

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目の前の壁は高ければ高いほど
やりがいがある、と技術者は笑った。

 

BEST OF WALL

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強い家は居心地が良いことを、
ヘーベルハウスが教えてくれた。

 

カンファタブルで、安心して暮らせる家にはハウスメーカーの探求心が息づいている。

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世界で初めて商業化に耐えられるリチウムイオン電池の開発に成功した功績により、旭化成名誉フェローの吉野彰さんのノーベル化学賞受賞が決定した。
発表当日に行われた記者会見では終始にこやかな表情だったが、研究内容や日本の研究開発環境の現状に話がおよぶと、その表情はきりりと引き締まった。
 吉野さんが行ったリチウムイオン電池の研究は、電動性高分子ポリアセチレン(編註:2000年にノーベル化学賞を受賞した白川秀樹さんが発見した素材)の研究をはじめたことがきっかけだった。このポリアセチレンが、二次電池の電極として使えることがわかり、吉野さんは負極に特化して研究を進めた。
その後、1985年に正極をコバルト酸リチウム、負極をポリアセチレンから炭素材料に切り替え、世界で初めてリチウムイオン電池の基本構造を完成させたのだ。
リチウムイオン電池は大きな起電力を持つとともに、使用可能時間も大幅に向上したことから、それまでのニッカド電池などに代わり、蓄電池の主役になった。
その商業化にあたり、立ちはだかった三つの壁を吉野さんはこう表現している。
基礎研究での壁は「悪魔の川」、基礎から開発段階での壁は「死の谷」、そして開発から事業化にいたる壁は「ダーウィンの海」。

なかでも、もっとも大きく感じた壁は、「ダーウィンの海」だったという。
この受賞は、自らが所属する企業の収益をあげるために必ず成功に導かねばならないというプレッシャーと闘いながら、血のにじむような努力を積み重ねた結果の栄光だったのである。
「リチウムイオン電池は、現在では家庭用蓄電システムのほか、スマートフォンや電気自動車などにも使用されており、今後もさらなる用途拡大が期待されています」―
―そんな記者会見後のニュースをスマホで見ながら、あらためて旭化成という化学メーカーの実力を思い知らされた。
吉野さんの「ダーウィンの海」での難航をゴールに導いたのは、その成功を信じて投資や支援をつづけた旭化成の企業精神が横たわっている、とも感じた。
 研究最優先。旭化成のDNAに刻まれるその精神は、ヘーベルハウスを提供する住宅事業にも深く根付いている。
ドイツのヨゼフ・ヘーベルの手によって世界で初めてパネル化に成功したALC(軽量気泡コンクリート)を戦後の日本で進化させた技術(パネル材の中に鉄筋を組み込んで強度を高めた技術)、さらにはALC自体の品質を世界で最高級のレベルに進化させた技術。
富士山麓にある同社の研究所での取材を通じ、われわれは、その技術の高さに触れることができた。
地震大国・災害大国の日本で、住まう人の安全と居心地をロングライフで約束できる家を創り出すことの大変さ、その困難をあくなき研究やこれでもかの実験によって乗り越えていこうとするパワー、さらに、その研究や実験をいまでも繰り返しながら最上のロングライフハウスを生み出そうとするスピリット、そういったものを目の当たりにしたのだ。
化学の世界とは関係ないようだが、その現場にはたしかに作り手のど根性が宿っていた。
 一瞬真剣な表情に変わった吉野さんに感じたのも、そのど根性だったのである。

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HailMaryこちらのコラムはHailMary1月号に掲載されています。

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