ファミリーで過ごす大開口のリビングとプライベートで篭れる勉強部屋をあわせもつ重鉄のレジデンスを、明石に訪ねた。
明石海峡を望む絶好のロケーションだ。世界で2番目に長い吊り橋、明石海峡大橋を間近に仰ぎながら、海岸線には大橋に負けないスケールのロングビーチがつづいている。ビーチ沿いには緑あざやかな芝生公園やバーベキュー広場、サンタモニカで見たような長いボードウォークなどが整備されていて、夏休みには大勢の海水浴客でにぎわう。今月はその美しいビーチサイドにある住宅展示場を訪ねた。今年4月に完成したヘーベルハウスの重鉄邸宅モデル「FREX」を取材し、ヘイルメリー流にアレンジさせていただくのが目的である。
天候は朝から快晴。係の方に挨拶を済ませた後、真先にファミリーリビングのある3Fまで上がり、目の前に広がる絶景を楽しんだ。全長約4kmの明石海峡大橋の先にくっきりと淡路島が見える。ダイニングに座っていても広く美しい海峡の景色は変わらない。ハイルーフユニットを採用したLDKの室内と、ベランダの向こうのパノラマが一体化して目に飛び込んでくる。想像以上の居心地だ。
一方で、ファミリーリビングのテレビモニターをセットした建具の向こうに、ダウンフロアになった秘密基地的サブリビングがレイアウトされていた。リモートワークにも最適な6帖弱のサイズだ。そこからも美しい風景を楽しめるよう開口部が取られているが、ダウンフロアに置かれたワークデスクに着くと、同じ景色のはずなのにダイニングテーブルから味わったダイナミックなシーンとはちがって映ってくる。そのままテラスへ出ると、白いデッキが張られていた。「スカイテラス」と呼ばれるそのデッキ空間はファミリーリビングからフラットにつながるベランダより一段高いところに設えてあった。2段床を下げた篭り部屋から1段床を上げたデッキを舐めて、海峡の風景を望む。ファミリーリビングから見たときより目線が上がり、「橋と海」ではなく「橋と空」の借景が迫っていたのだ。
事前に情報は入手していたが、実際に訪ねると、堅牢な重鉄構造を生かした空間デザインの巧みさをより具体的に知ることができた。50年以上都市型住宅を作りつづけてきたヘーベルハウスのノウハウが、3Fだけでなく、2F、1Fにも詰まっていた。貴殿もぜひ一度、この美しいビーチに建つFREXをご家族と訪ねてみてはいかがだろうか。
LDK
ヘーベルハウス明石大蔵海岸展示場は、重鉄・システムラーメン構造の3F建てFREXモデル。写真は3Fのハイルーフユニットを採用したLDK。壮大な明石大橋と淡路島の景観を一望できる39.7帖の空間だ。ダイニングキッチン、ファミリーリビングを囲うように開口部がレイアウトされているため、内外の一体感を存分に味わえる。オーク材の建具を生かしたVILLASTYLEのインテリア、ハイルーフの間接照明、幅広のフローリングなど、大空間を生かした効果的な演出も実体験することができる。
OUTDOOR LIVING
窓外の景色を存分に味わえるようガラスのパネルを用いた3Fのベランダ。ここにパラソル付きのストーンテーブルと座り心地抜群のアームチェアをアレンジ。週末の朝は何もせず、ただアームチェアに座ってコーヒーを飲みながらオーシャンビューを愛でていたい。海に向かって左サイドには一段床上げしたデッキ空間「スカイテラス」を設置。このテラスは、篭り感抜群のサブリビングにつながっている。
DINING KITCHEN
40帖大の空間に、ダイニングテーブルやソファをゆったりと配置している。ソファからだけでなく、キッチンやダイニングテーブルからも大海原を眺めることができるのが贅沢。広々としたアイランド型キッチンは、複数人でも調理を楽しめる。見えない位置に冷蔵庫やバックヤードも備えている。
キッチン奥から眺めたLDK。テレビモニターのある仕切り壁の向こうにサブリビングがレイアウトされているのがわかる。
モダンな鏡面仕上げキッチンは収納力抜群。写真左奥にちらっと見えるのはパントリーと、家事の合間にちょっと作業ができるミニデスク。
SUB-LIVING & SKY TERRACE
ほどよい篭り感のあるダウンフロアのサブリビング(5.6帖)。別荘の書斎に居るような、天然木をいかしたインテリアが心地よい。屋外で休みたいときはそのままひとりスカイテラスに出られる、そんなプライベート感を得られる。ただ、空間を完全にシャットアウトするのではなく、上部空間を開けることでLDKとのほどよいつながりを持たせている。LDKにいる家族とも自然にコンタクトできるよう工夫しているのだ。
室内のデスクの天板とあまり変わらない高さにスカイテラスのデッキが位置する。室内の椅子に座って窓外を眺めると、海面よりも明石海峡大橋の主塔部と青空が見える割合が高まる。スカイテラスは庇に覆われているので雨も直射日光も気にならない。
BEDROOM
木貼りの壁が上質な空間を印象づけるマスターベッドルーム。袖壁で囲われたプライベート感の強いベランダを付設。2.3帖のウォークインクローゼットも携えている。また、ソファ替わりにもなるサイドベッドの上にはモンドリアンウィンドウを採用し、大きな開口を取っている。ここでのうたた寝も気持ち良さそう。
奥に見えるサイドベッドの上に設えたのがモンドリアンウィンドウ。強度があるだけでなくデザイン的にも優れたヘーベルハウスオリジナルのFIX窓だ。
カーテンを開けるとベッドルームに心地よい朝の光が入ってくる。目覚めてすぐに半屋外空間へ直行できるのが嬉しい。
WASHROOM & PRIVATE TERRACE
ベッドルームから続く、広々としたウォッシュルーム。ダブルボールで時間を気にせず身支度ができる。この奥はバスルームにつながる贅沢な造り。ウォッシュルームの外には風呂上りに涼めるプライベートテラスを設置し、高さのあるスカイウォールで近隣からの視線を遮断している。
スカイウォールによってプライバシーが守られた2Fのテラス。見上げると空が広がっているので開放感も得られる。
スカイテラスを屋外から見た写真。高さ約1.9mのスカイウォールが量塊感ある外壁としてファサードにもアクセントを加えている。
PLAY ROOM
2Fにはプレイルームも設えてあった。2重サッシを用いて遮音性を高めた本格的な防音室で、ピアノ、ギター、ドラムなどの楽器演奏のほか、ホームシアターもアレンジしたくなる。リアルサイズの6.3帖の間取りが嬉しい。
GARAGE, ENTRANCE & LOUNGE
1Fのガレージは電気自動車の駐車スペースなので、ガソリン車のような匂いが気にならない。ゆえにFREXの強靭な躯体構造を生かし、ガレージ、エントランス、ラウンジまでを仕切り壁のないひとつながりの空間としてデザインしている。エントランスとラウンジはウォルナット材を生かしたインテリアで統一。街に開いた明るく広々とした空間は、内外の一体感をもたらしている。靴を脱がずにゲストを招くことが出来る大応接間でもある。
天井も木貼りとして天然木の温かみを出したエントランス。間接照明の使い方も参考になる。
土間を利用して設えた明るいラウンジ空間。フォールディングウィンドウを開け放てばデッキにつながる。
TATAMI ROOM
1Fエントランスの奥には、隠れ家的な和室(9.9帖)がある。入ってすぐ左手の壁面デザインが不思議なオリエンタルムード。この空間は床上げしているため、茶室のような篭り感が得られる。屋外から差し込む光も心地よく、ゲストを招き入れるだけでなく、リモートワークにも適した和室だ。
GARAGE & EXTERIOR
ヘーベルウォールに囲まれたビルトインガレージ。サステナブルな時代に対応した電気自動車仕様のガレージで、ヘーベルハウスが提案する「まちもり」のコンセプトも外構の作りに反映されている。大パノラマを楽しむ3F、プライベートを確保する2Fに対して、1Fは内外に一体感を持たせながら街に開き、緑を育てる場所になっている。
タイル張りのアプローチにグリーンを絡め、新しい時代にふさわしい排気ガスゼロのパーキングロットを演出している。
1Fのラウンジとつながったデッキ空間。軒が効果的に生かされていて、椅子を持ち出して夕涼みしたくなる。植栽がほどよい目隠しになると同時に、街の景観美に貢献している点も要チェックだ。
ヘーベルハウス 明石大蔵海岸展示場
HEBEL HAUS FREX3 AKASHI OKURA-KAIGAN MODEL
ヘーベルハウス明石大蔵海岸展示場の美しく逞しい外観。ガレージと大開口部で構成された1F、スカイウォールが印象的な2F、そしてL字型の大開口部がダイナミックな展望をもたらす3F。自然との共生も考えて設計された最新型のFREXモデルだ。
自由かつダイナミックな空間を
生み出す重鉄構造のFREXは、
街の景観美を高めると同時に
自然と共生する力も備える。
ヘーベルハウス 明石大蔵海岸展示場
HEBEL HAUS FREX3 AKASHI OKURA-KAIGAN MODEL
兵庫県明石市大蔵海岸通1-2-3
tel.078-919-6662(10:00-17:00 火・水定休)
※写真の設えと実物は一部異なります
取材協力:
イレクターズ
Sonechika
VINTAGE+
GT CAMERA