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THE OUTDOOR GARAGE CASE1:FISH-ON GARAGE

HAUS

和室と縁側のある知的で私的なフィッシュオン・ガレージ

今月と来月の二ヶ月にわたり、編集部は西を目指す。大阪および広島地区に建てられたヘーベルハウスのモデルハウス4軒を訪ね、「男のガレージ」をテーマにヘイルメリー流アレンジにトライするのだ。第一回目の今月は、大阪のモデルハウス2軒を訪ね、アウトドア好きな男が篭る2タイプのガレージをアレンジ。まずは、「FISH-ON GARAGE」。和泉・第二阪和展示場のFREXモデルの和室とそれにつながる軒下空間を生かし、開高健のように釣りを愛する知的不良の居場所を演出した。もう一軒は、難波展示場のFREXモデルのガレージを、山と湖を愛するキャンプ好き男のヘビーデューティー・アウトドア空間に仕上げた。いずれもモデルハウスに設置されているウッドパネルをフルに活用させていただいた。本格的なアウトドアシーズンが到来するこの季節、ぜひ貴兄のベース基地づくりの参考にしてみてください!

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「ツイードジャケットは軒下で3年吊るして着なさい」とは白洲次郎の名言だ。訪ねたヘーベルハウスの軒下には、その通り、軒下空間にジャケットをハンギングできるお誂えのウッドパネルが備えてあった。右正面に見える、パーテーションも兼ねたメインパネルのほか、左右両サイドにはメテオブルーのヘーベルウォールに沿って程よい幅を持つパネルもある。それらのパネルにジャケットやギア類をセットしてみると、立派なアウトドアガレージ空間ができあがった。奥に見える和室は作家よろしく書斎空間とするが、好きな物たちに囲まれて仕事できるリモートワークスペースにもしたい。ゆえに和室サイドから見えるメインパネルの裏側にもとっておきのギアたちを並べてみた。

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ジャケットやハットを掛けたウッドパネルの裏側が、こちらの写真。和室からこれらの釣り道具を眺められるというわけだ。きっと開高健ならば、こんな相棒たちを眺めながら原稿を書いたに違いないと想像しながら希少なヴィンテージピースを集めた。ウッドパネルはガレージの装飾に役立つだけでなく、パーテーションの役割も果たしてくれる。

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今年はステイホームの時間が増えたことによって、庭いじりや土いじりを楽しむ男も増えている。そこで、もう片方の壁に沿って設置されたウッドパネルには、ガーデニング用品を集め、レイアウトすることにした。表情豊かでラギッドなヘーベルウォールには、釣り道具だけでなく、鉄製のスコップをはじめとしたガーデニングギアもよく似合う。ペンドルトンのブランケットが掛かったキャリーワゴンはバスプロショップ仕様だ。

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上写真:タックルボックスの名門ブランド「プラノ」の販促用パネル。こんなヴィンテージの販促物をアクセントに置くとガレージの雰囲気が増す。
左下写真:リールは、開高健も愛したABUの「アンバサダー」。アラスカでのキングサーモンとの格闘で、開高さんはアンバサダーNo.5000 Cのリール、フェンウィックのグラファイト製ロッド、糸もすべてバスフィッシング用ギアを使った。釣果はすこぶるよろしく、「強大なキングの突進、圧迫、反転、跳躍、どの局面も悠々としのいでくれた」(『生物としての静物』/集英社刊)。写真のアンバサダーはその後継モデルのNo.6000(いずれもイレクターズ)。
右下写真:手作りのバス用ルアーとタックルボックス。

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メテオブルーのヘーベルウォールには、アースカラーのワードローブが似合う。

上写真:ツィードジャケットはナイジェル・ケーボンの「テンジン」。1953年にエベレスト登頂に成功したヒラリー卿の相棒ガイドだったテンジン・ノルゲイ氏が着用したジャケットを再現したもの。
左下写真:フィッシングベストはコロンビアの名作。80年代に作られた製品には、ファスナーやベルクロといったパーツまで統一する手抜きない完成度が見える(以上編集スタッフ私物)。ランタンはコールマンの定番ランタン286A。ただしフードはバッサーのイラストが入る希少品。
右下写真:ストーブは、かつて登山家たちから「ブス」の愛称で呼ばれたホエーブスのシングルバーナーNo.625(以上イレクターズ)。

LIKE A RUGGED NOVELIST

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大阪府和泉市のABCハウジングに建つ、ヘーベルハウスのFREXモデル。その1Fには、メテオブルーのヘーベルウォールに囲まれ、贅沢な縁側を配した和室が広がっている。今回のアレンジでは、この和室を「リモートワークもできる開高健的書斎空間」に見立てた。

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縁側から見た屋外のウッドパネルの様子。その向こうには住居のエントランスを象る白壁が見える。同じ住居でも白壁とメテオブルーに塗り分けられているので、母屋と離れのような関係で面白い。

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堀炬燵式の座卓で原稿を書いてみたが、予想以上に心地よく、作業が捗った。開高健に関する書は、ブックエンドに見立てたスチール製トラウトと相性バッチリ。さりげなく流木にはフォーククラフト・ストーンウェア製・虹鱒イラストの陶器プレートを飾ってみた。

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和室の前に広がる贅沢な縁側にはウッドパネルの隙間から光が溢れていた。そこには、ヴィンテージの魚籠(ミノーバケット)をブックエンドに、読みたい本をレイアウトした。この半屋外空間は、小春日和の心地よさだけでなく、秋の夜長の楽しみも助長してくれそうだ。

ヘーベルハウス和泉・第二阪和展示場FREX
住所:大阪府和泉市富秋町2-10-27
tel.0725-46-7070(10:00-17:00 火・水定休日)
※写真の設えと実物は一部異なります

取材協力:
イレクターズ 大阪市北区豊崎1-4-5-103

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HailMaryこちらのコラムはHailMary12月号に掲載されています。

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