心安らぐ居住空間を演出する重鉄・大屋根のレジデンス
重鉄制震・デュアルテックラーメン構造によって建つヘーベルハウスのRATIUS [GR]。そのモデルハウスが横浜に完成したという知らせを受け、さっそく編集部は取材に出向いた。結論から言えば、想像以上の見応えで、撮影ポイントもおのずと増えていった。よって今回は、今号と次号の2回にわたってその全容をお届けすることにします!
横浜の住宅展示場に完成したヘーベルハウスのRATIUS[GR]。重鉄制震・デュアルテックラーメン構造を採用した2F建てのレジデンスである。美しくも逞しい和モダンな佇まいを決定づけているのが、最大約2.7mの奥行を持つ大屋根だ。その緩やかな勾配と共鳴するように、屋根の軒線、スラブ、手すりが美しい水平ラインを生み出している。同時に、大屋根が深い軒をつくり、軒下には木陰で過ごせるような心地よい半屋外空間が演出されている。この軒下空間によって、外見だけでなく、縁側で寛ぐような「和」の日常を過ごすことができ、室内のインテリアはナチュラルな「VillaStyle(以下ヴィラスタイル)」で統一している。リビングはもちろん、エントランス、キッチン、階段などの誂えも見どころだ。さらに、2Fの勾配天井を活かした「ロフティルーフ」が隠れ家のようなロフト空間を創出する。刺激的で魅力的な2F空間にも見どころが多い(2Fの詳細は次号にて紹介します)。
このモデルハウスには、室内を快適な温度と綺麗な空気を保つ「ロングライフ全館空調」が採用されている。心地よい暮らしを実現するために、このシステムもチェックしておきたい。
ノイズを極限まで排して建物との一体感を持たせることで、大屋根を「ひとつの塊」のように魅せている。美しい稜線を描きながら、レジデンスに堂々とした存在感をもたらす意匠だ。
STRUCTURE
RATIUS[GR]は、重鉄骨造と独自の制震フレームを組み合わせた「重鉄制震・デュアルテックラーメン構造」によって完成する。地震エネルギーに対する高い吸収力と復元力を備えるX字型の特殊鋼材「極低降伏点鋼」を採用。その力を一層引き出し、重鉄制震構造のパフォーマンスを最大化するため、制震フレームと梁を一点でつなぐ「アダプティブジョイント」と、柱と基礎を柔軟につなぐ「フレキシブルジョイント」という二つのジョイントを導入している。
UNDER THE EAVES
大屋根の軒線、スラブ、手摺が揃い、巧みなバランスで重なり合う繊細なデザインが住まう者の感性を刺激する。心地よい風と穏やかな光を浴びられる大きな軒下を活かした広いテラスは、最高の居場所。室内の延長でありながら、庭で過ごすような開放感も味わえる。限られた敷地で暮らす都市生活者にはありがたい空間だ。このテラス空間に、バウハウス時代の名作ラウンジチェアをアレンジした。
ENTRANCE AREA
洗練されたエントランス。天然オークの壁と収納、漆喰の天井と壁、ストーンタイルのフロア。どの素材も悪目立ちせず、三位一体感がある。この美しさを活かすために玄関正面にはあえて装飾品は置いていない。また、エントランス脇には、対面せずにいつでも荷物が受け取れる鍵付きの置き配スペース「スマートクローク」を設置。さらにこのエリアにはスリムサイズの洗面台もあり、外出前の身だしなみチェックや帰宅後の手洗いに役立つ。いずれもニューノーマルなライフスタイルにふさわしい設備だ。
1F LDK
重鉄ならではの強靭な躯体構造を生かしたダイナミックなLDK。約37帖の室内に、リビングとダイニングキッチンが広がっている。天然木のぬくもりを存分に感じられる「ヴィラスタイル」のインテリアを採用することで、別荘で寛げるような安らぎの時間を日々味わえるよう工夫されていて、格子デザインによって和モダンのテイストを加味している。横への広がりはいうまでもなく、さらに開放感を深めているのがLDK全体の天井の高さだ。ゆとりを感じさせる2.56mの高天井が、縦への伸びやかな広がりをもたらし、心地よさを高める余白空間を生み出している。家族団らんや寛ぎの時間を自然に創り出してくれるLDK、という印象だ。
1F LIVING
1Fのリビング空間。サイズの異なるアンバランスな木貼り天井が印象的で、贅沢に使われた天然オークの風情が人工物では表現しにくい温かみを与えている。この天井のほかにも、ナチュラルな素材の表情を生かし、長く住まうことで愛着が深まるようなインテリア構成に仕上げている。リビングの二面にわたって大開口部を持ちながらも、穏やかな光が室内に注ぎ込むのはRATIUS[GR]ならではの深い軒があってのこと。直射をほどよく遮り、まろやかな光を室内に届けてくれるのだ。
1F DINING KITCHEN
ダイニングテーブル側からみたキッチン。明るい色味のオークが経年変化によって味わい深い色合いに育っていくのが楽しみ。全面開口窓を開け放てば、内と外がシームレスにつながる空間に。軒下テラスの木陰でゆったりくつろいだり、休日のブランチも楽しそう。
1F KITCHEN
オーク材を生かした美しいキッチン空間。コーナービューウィンドウによって採光だけでなく屋外の眺望も楽しめるよう設計されている。料理趣味のダッズにもおすすめの空間だ。
縦格子の引戸を起用した食器収納。シャットアウトすると木の壁に見えるが、実際はご覧のとおり、たっぷり収納力がある。
キッチン奥の空間にも収納力たっぷりのカウンターや棚が設えてある。その奥にはコーナービューウィンドウを生かした明るいグリーンプラント空間がレイアウトされていた。
1F GREEN PLANT SPACE
キッチン奥のグリーンプラント空間。コーナービューウィンドウがたっぷりと外光を採りこんでくれる。グリーンがいきいき育つ環境をつくり、同時に二方向に視線が抜けることで視覚的にも開放感をもたらしている。
キッチンの裏に設えたデスクスペースは、家事や調理の前後にリラックスしたり、ときには趣味に没頭するスペースとしても活用できそう。ほどよい採光を得ながら篭り感を味わえる絶好の狭小空間だ。
1F JAPANESE STYLE ROOM
非日常の時間へと導いてくれる7.3帖の和室。ダウンフロアを活用し、畳に腰掛けられるようにも設計されている。腰掛けたときに窓の外に目をやると、ちょうど目線の高さに坪庭が見える。この和室はキッチンのすぐそばにあるので、大切なゲストを招いて自慢の料理を振舞いたくもなる、そんな贅沢空間だ。
窓にはビスタウィンドウを採用。一枚ガラスを活かした眺めの良さで、外の坪庭との一体感が楽しめる。柔らかな光を取り込む心地よい空間。
和室を彩る美しい床タイル。床暖房に対応しているので花冷えの季節でも裸足で過ごせる。
STAIRS
2Fへとつづく階段。ヴィラスタイルのインテリアに調和する格子状のルーバーがほどよく階段を隠しながら光と風の通過を促している。次号はこの階段を上がったところにレイアウトされる2Fのサブリビングから見学していきたい。乞うご期待!
HEBEL HAUS RATIUS[GR]YOKOHAMA MODEL
ヘーベルハウス RATIUS[GR]横浜展示場
HEBEL HAUS RATIUS[GR]YOKOHAMA MODEL
ヘーベルハウス RATIUS[GR]横浜展示場
神奈川県横浜市西区西平沼町6-1 tvkハウジングプラザ横浜内(区画37)
tel. 045-324-4310(10:00-17:00 火・水定休)
※写真の設えと実物は一部異なります
取材協力:
Sonechika
BasShu
GT CAMERA
ディスクユニオン下北沢店