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日本人の感性が息づく重鉄の家に住みたい。
HAUS WITH JAPANESE SENSIBILITIES

HAUS

日本人の感性が生かされた重鉄のレジデンスを終の棲家にしたい。

今回訪れたのは、埼玉県所沢市の住宅展示場(所沢ハウジングステージ)に建つヘーベルハウスのRATIUS[GR]モデル。重鉄構造の堂々とした外観に加え、迫力ある勾配屋根を持つジャパニーズモダンを体現した2F 建てレジデンスである。縦横に大らかで伸びやかな1F空間には安らぎのリビングや開放的なダイニングが用意され、勾配天井を活かした2F空間には遊び心あふれる居場所がレイアウトされている。

 古くから日本の住まいには、生活と自然を一体化し、影やわずかな光を楽しむような感性が見られる。RATIUS[GR]にはそんな繊細な感性が反映されていて、強靭な躯体構造を生かした大屋根と深い軒によって、季節ごと時間ごとに光のグラデーションが室内を上手に包み込むような設計がなされている。たとえば、1Fのダイニングは開口部が大きくて明るく、逆にリビングは少し落ち着かせるために影を上手に使い、同じ空間でも光の入り方で感じ方が変わるよう工夫されている。

 室内のインテリアに天然木の素材をふんだんに用い、和モダンな自然美に包まれる温かみを演出しているのも特長だ。建物は2世帯住宅を想定して設計されているが、1Fの親世帯のリビング空間はウォルナットの素材を用いたシックなデザインに、一方2Fの子世帯の住まいはオーク素材を用いて明るくカジュアルなデザインに仕上げている。また、室内全体がロングライフ全館空調によって快適な温度に保たれ、健やかに過ごせるのもポイント。このシステムによって「安らぎの居場所」がさらに広がる印象を与えている。この秋の休日にぜひ訪ねてみてください!

FACADE

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強靭かつ堅牢な重鉄制震・デュアルテックラーメン構造をベースに、大屋根を取り入れダイナミックな外観を誇るRATIUS[GR]。伸びやかな直線で構成されたジャパニーズモダンなファサードが目を惹く。古びることなく飽きがこない印象で、日本家屋の持ち味ともいえる深い軒先を加えている点にも注目したい。軒先は心地よい陰影をつくり出し、そこで過ごす時間が暮らしに豊かさを与える。外構を充実させる楽しみも与えてくれる邸宅だ

ENTRANCE HALL

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ゲストを迎え入れる広々としたエントランスホール。床面と建具にウォルナット材を贅沢に使い、漆喰塗りの壁と和モダンな照明を生かしシックな大人空間を演出している。照明具の下に小さなテーブルやチェアを置いてアレンジすれば、ミニ団らんスペースになりそう。使い方のアイデアが広がるホールだ。

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エントランスホールにヴィンテージの折りたたみ椅子を持ち込みアレンジ。(Sonechika)

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帰宅したらまず手洗い。そんなニューノーマルな習慣をサポートするエントランス脇に設けた洗面台。壁面に鏡を取り付け、出かける前にちょっとした身だしなみチェックの場所にするのもよいだろう

1F LDK

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1Fは親世帯の住居を想定し、シックで重厚な雰囲気に仕上げている。LDKは31.7帖の広々とした空間。大開口部も含めて重鉄構造による強靭な躯体を十分に生かした設計だ。インテリアは、天然木が生み出す自然美を活かした「VILLA STYLE」。1Fは木貼り天井と建具の素材をウォルナットで統一し、大人らしく落ち着いた部屋を作りあげている。深みを帯びた色合いを放つウォルナットだが、経年変化によって色合いや味わいの変化を楽しめるだろう。床タイルはテラスの床と同一なので、LDKとテラスが視覚的に一体化し、広い空間をさらに伸びやかに見せている。大人数を招くホームパーティーを開きたくなるスペースだ。

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ゆったりめのソファの正面にリッツウェルのAVボードを配し、音楽鑑賞できるようアレンジが施されている

1F LIVING

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2.56mの高さの木貼り天井が安らぎを与えてくれるリビング空間。開口部をあえて控えめにし、音楽鑑賞などプライベートタイムをゆっくり過ごせるような空間演出を施している。別荘で過ごすようなひとときをもたらす「VILLA STYLE」のインテリアと漆喰塗りの壁との相性もバッチリだ。

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白く清潔な漆喰塗りの壁は、天然木を多用したインテリアデザインと調和する。調温・調湿性に優れているだけでなく、コテ仕上げによるランダムな塗り跡の表情が温かい和の雰囲気をもたらしてくれる

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リビングの壁に立てかけたマティスの大判ポスター。(額付/Sonechika)

1F DINING KITCHEN

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天然木の扉を採用したヘーベルハウスオリジナルキッチンと食器棚。LDKの中にキッチンが溶け込んでいる印象を与える。注目すべきはキッチンカウンターの天板の高さと、リビングに設けた収納家具のラインを揃えているところ。これにより奥行のある直線が生まれ、LDK空間にさらなる広がりを感じさせる。

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ダイニングは、奥に見えるリビングに比べて開口部を多く取り、自然光を招き入れる開放的な空間演出がなされている

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キッチンの奥からエントランスホールへ回れる裏動線。途中にランドリールームがレイアウトされている

1F ARRANGEMENT SPACE

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1FのLDKの奥にある引き戸を開けると7帖のアレンジメントスペースが現れる。開口部を控えめにしているためほどよい篭り感があるが、コーナーウィンドウの効果によって光を十分に取り込むことも可能。明暗の調整がしやすく使い勝手がよい空間だ。趣味部屋として使うのもよいし、リモートワークルームとして活用するのもよいだろう。

1F LAUNDRY ROOM

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洗練された壁タイルが空間にアクセントを加える。長期滞在型ホテルのランドリールームさながらのスペース。洗濯機も乾燥機も美しく収まるように設計されている。洗濯やアイロンがけのモチベーションが上がるにちがいない。

1F TERRACE

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深い軒を生かした1Fのテラス。軒が大きくせり出すことで、軒下空間には陰影が生まれ、心地よい木陰もつくる。地つづきに広がる磁器タイルによって室内外の境界が混じり合うと同時に、外界とのグラデーションもつくり、居場所に豊かさを生み出している。お気に入りのチェアを出してゆっくり時間を過ごしたいアウトドアリビング空間だ。

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RATUIS[GR]はモダニズムの箱型デザインに日本の伝統住宅のスタイルのひとつである大屋根を融合させている。せり出したこの大屋根によって、過ごしやすい半屋外空間が生まれるのだ

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1Fテラスにレイアウトしたマジスの「ストライプド・ローチェア」。ブルレック兄弟のデザインによる銘品。(Sonechika)

2F STAIR HALL

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2Fの階段ホールにしつらえた小さなカウンター。ディスプレイシェルフとしても使えるが、スツールを持ち込んでカウンターバー使いにアレンジを愉しんでみた。この家はあちこちに「安らぎの居場所」になりうる空間が存在し、住まう人の遊び心を受け止めてくれる。空間をひとつの用途に縛らず、2役にも3役にも使えるようにデザインできる家でもあるのだ。

2F LOFT PACE

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2Fには勾配天井を活かしたロフト空間がある。その真下に洞穴のような遊び心満載のスペースがレイアウトされている。フロアを小上がりにしているため、ちょっとした篭り感が得られて楽しい。ハシゴを昇ると7.0帖ものロフトが現れる。コレクションしたい本を十分収納できるスペースだ。いま読みたい本を下のオープンスペースに出しておき、ロフトには他の蔵書をキープしておくという占拠方法もありそうだ。

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ロフト下のオープンスペース。書斎として活用したり、趣味を味わう場所にするなど使い方は無限大。家族の誰もが自由に使える空間だ

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2F LDK

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2Fは子世帯の住まいを想定して設計されている。1F同様に木の温もりを生かした「VILLA STYLE」のインテリアを採用しているが、このフロアには明るいオーク材を選択。床、天井、建具に至るまでオーク材で統一し、ベージュをベースカラーにしたナチュラルテイストの家具によって室内アレンジが施されている。LDKの見どころは、リビングゾーンの頭上に広がる勾配天井。大屋根の斜角を上手く活かし、最大5.1mの高さを実現できるという。リビングの頭上を開放的にし、一転ダイニングキッチンの天井を低めにしてメリハリをつけている。同一空間のなかで心地よいリズムをつけているのだ。

2F LIVING

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22.4帖のLDKの約半分がリビング空間。スカイウォールのあるアウトドアリビングとつながっているため、外部の視線を気にすることなくプライベートな時間を過ごすことができる。木貼りの勾配天井が異空間を演出している。

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幅を変えランダム感を出すことで、ナチュラルな雰囲気を高めた木貼り天井のディテール

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リビングの壁面にル・コルビジュエのリトグラフを飾った。(額付/Sonechika)

2F DINING KITCHEN

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ダイニングキッチン空間はリビング空間よりも天井高を落とし、さりげなくゾーニング。6人掛けのダイニングテーブルがきれいに収まる空間で、開口部からの採光も十分。冷蔵庫の左横のオーク材で仕上げた建付けの扉の奥はパントリーになっている。

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2F OUTDOOR LIVING

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2FのLDKとつながるコンパクトサイズのアウトドアリビング。大屋根が架かっているので全天候に対応する。上部だけ抜けたスカイウォールが目隠しとなり、気兼ねなく寛げる。ブランチを愉しんだり、ハンモックで昼寝したり、夕刻にはお酒を嗜むのもよいだろう。このアウトドアリビングからつらなるベランダ空間(右写真)も心地よく、グリーンを並べると楽しそう。

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椅子に掛けたネイティブモチーフのブランケットはBasShuの「コットンパイルブランケット」(BasShu)

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2F BEDROOM

ホテルの一室に滞在しているような、
進化した日本のモダニズム建築のレジデンスで毎夜眠りにつきたい。

このレジデンスは、奥に入るほど陰影が深まり、プライベート感が高まっていくような設計がなされている。2F 奥にある主寝室は7.1帖。勾配屋根を生かした高天井によってタテ空間の広がりを得られる。ベッドに寝転んだときに天井を見上げるとなんとも心地よいのだ。寝室には2.2帖のWICも付設していて、しばらく滞在すると、高級ホテルの一室で過ごしている錯覚に陥った。

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ベッドカバーとしてアレンジしたのはBasShu製の「パッチワークキルトカバー」(BasShu)

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ヘーベルハウス 所沢西展示場

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RATIUS [GR] TOKOROZAWA NISHI MODEL
ヘーベルハウス 所沢西展示場

埼玉県所沢市若狭3-2353-1 所沢ハウジングステージ
tel. 04-2948-8383(10:00-17:00 火・水定休)
※写真の設えと実物は一部異なります

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HailMaryこちらのコラムはHailMary2024年12月号に掲載されています。

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