いつまでも穏やかに暮らしたいダッズ世代必見の都市型住宅。
今月は大阪府高槻市にある住宅展示場を訪ね、ヘーベルハウスの都市型2F建て住宅、RATIUS[GR]を取材した。独自のインテリアスタイル「Villa Style」(ヴィラスタイル)を堪能できる重鉄モデルで、ウォールナット材を起用した建具や木貼り天井が特徴的である。50代半ばの夫婦と大学生の娘、そして一匹の愛犬も暮らすという想定で室内が計画されていて、月に一度、関東で一人暮らしする26歳の長男が帰ってきて家族と食事を楽しむ...。その団らんの食卓がある1FのLDKは、ウォームグレーの漆喰壁と同色の床タイルとのコンビネーションによってひときわシックで落ち着いた居住空間を見せている。一方、サブリビングのある2F空間は、ウォールナットの床とウォームホワイトの壁を用いて明るめの室内に計画している。またそれぞれの居場所に合わせて質の高いインテリアが組み込まれ、ひとつ上の贅沢空間を体感できる。全体的に、静寂平穏な別荘に流れるような空気感を大切にしていて、どこにいても終始リラックスして過ごせる家、という印象だ。ヘーベルハウス独自の「ロングライフ全館空調」システムも、そんな穏やかな暮らしをサポートしている。読者諸兄姉には、ぜひ一度この「穏やかな居心地」を体感してみてほしい。
FACADE
へーベルハウスが住まいづくりのノウハウと叡智を結集して完成したRATIUS[GR]。モダニズム建築の機能美と、重鉄制震・デュアルテックラーメン構造を生かしたダイナミックな造形美をあわせもつ2F建て邸宅で、ロングライフな住まいを象徴するモデル。独自の植栽手法「まちもり」を生かし、中高木、低木、地被類など階層の違う樹木を組み合わせた外構計画も見どころだ。
大屋根を生かした堂々たる佇まいが、住まいに奥深さと穏やかな空気をもたらしている。1Fには深い軒を生かしてL字型のテラスを設け、緑あふれる半屋外空間を創造。通りとの境界をグリーンで囲うことで、ほどよいプライベート感を演出している
1F LIVING&DINING
1Fのリビングとダイニングは計21.9帖の広さ。2.56mの高さの天井を木貼りとし、床タイルと漆喰壁をウォームグレーの色合いで統一。シックで上質な空間演出を施している。リビングは少し落ち着かせるために空間に陰影をつけ、逆にダイニングは開口部を大きく取って明るくし、同じ空間でも光の入り方でフィーリングが変わるような演出がはかられている。写真右サイド(北面)には木貼り壁の面を設え、造作のTVボードを添えてリビングのフォーカルポイントとし、奥の開口部はサイレントグリス社のウェーブシステムを用いて美しいカーテン面を完成。木貼り・漆喰壁・布という、素材感の違う面構成で変化をつけている点も興味深い。
リビングスペースにはゆったりとしたI型のソファに、ヴィンテージ感あふれる革張りのアームチェアとどっしりした円形テーブルを配置
ソファのアームはアシンメトリーな形状になっていて、ダイニング空間側を低くすることで奥へのつながりと広さを感じられるよう工夫している
1F KITCHEN
「見せるキッチン」のお手本のような空間。ダッズ世代の料理好きには堪らない「男子の厨房」でもある。ヘーベルハウスオリジナルのキッチンカウンターと造作家具の組み合わせによって、クオリティの高い12.6帖の空間に仕上げている。天井面の間接照明と壁面のタイルをL 字型につなぐ構成にすることで、空間全体に一体感と横への広がりをもたせている。座って作業したり一服できたりするカウンターテーブルもチェックポイントだ。
ヘーベルハウスオリジナルのアイランドキッチン。使いやすそうなキッチンカウンターのほか、ウォールナット材を使用した棚の作り、壁面のタイル使いも参考になる。奥には家電コーナーとパントリーも付設、充実した厨房空間に仕上がっている
キッチン内にあるカウンターテーブル。淹れたてのコーヒーを飲みながら読書を楽しんだり、パソコンを使って仕事もできたりする、プラスαの居場所。この空間によってキッチンの領域が広がるのだ
ENTRANCE HALL
広々としたエントランスホール。玄関床には、天然石の表情を持つ質感のあるタイルを採用し、和モダンなテイストで落ち着きのあるエントランスを演出。漆喰壁には連作のアートを飾って奥の廊下へ誘うラインを構成。
1F BATHROOM
1Fの奥側にあるバスルームは、明るい時間帯に入浴しても気持ちよさそうな空間。この一角には、洗面台のほか、洗濯機と乾燥機がセットされたランドリースペースも設えている。
1F HALLWAY
1Fの階段室からキッチンにつながる廊下。幅広のフローリング材とウォームホワイトの漆喰壁によって、LDK空間とは異なる雰囲気を出している。写真左手に2Fへ上がる階段がある。
2F SUB LIVING
2Fのサブリビングは11.5帖の広さ。家族が集うサロンのようなイメージで、思い思いの場所で思い思いのままくつろげるような空間に仕上げている。隣の部屋(写真左の壁の向こうに洋室がある)やベッドルーム、さらに趣味部屋への入口にもなる空間ゆえ、家族が集いやすい。勾配天井は美しい木貼り、片面には家族図書館として使える大きな書架を、またもう一方の壁際にはロフトへつながるハシゴを架けてワクワク感を演出。書架の前にはRラインが美しいカウチソファと、テーブルを兼ねた大型のオットマンをセット。奥の窓際にはカウチソファと向き合うようにデスクを置き、軽量で簡単に移動できるTHONETの曲木チェアを据え、家族が自由に居場所を持てるよう工夫している。
勾配天井を生かした遊び心あるサブリビング。埋め込まれた書架は、間仕切り壁を挟んで向こう側の洋室と抱き合わせで備え付けている
勾配天井によって11.5帖の空間がより広く感じられる。天井は木貼りで、異なる木の柄と幅を組み合わせて心地よい揺らぎを表現。木を見ると心が安らぐという意識に働きかけた意匠だ
サブリビングの壁には和モダンなシルクスクリーン版画を飾って正月モードにアレンジ
サブリビングの入口付近にあるアルコープ部は、小型の冷蔵庫を入れて家族共有の機能的スペースに
2F HOBBY ROOM & LOFT SPACE
書斎やリモートワークにも使える主人の個室空間。かつては長男が使っていた子供部屋を改装し、隠れ家的色合いを強めたという設定。フローリングはウォールナットのヘリンボーンに、壁面は濃いめのグレーに変更してアクセントをつけている。この部屋に入りきれない趣味のモノたちは、ハシゴの上にあるロフトに仕舞っておくのだ。
サブリビングの脇には、小型冷蔵庫をセットしたアルコープ部があり、その向こうには主人の趣味部屋を想定した隠れ家的空間がレイアウトされている
趣味のモノをキープするには十分すぎる広さのロフト。大切な本やレコードを仕舞っておくには絶好のスペースだ
2F BEDROOM
自己満足だけでなく家族の満足も保証できる包容力のある家に暮らしたい。
上部は勾配天井、床面はフラットにつながるバルコニーを携えた贅沢な主寝室(9.2帖)。ナイトテーブルからつながるプチベンチソファコーナーや、ドレッシングカウンター、ベッセルボウルを設えてホテルライクな個室を表現。さらに奥にはWICがあり、ゲートのように構成したR形状の下がり壁と、葉をあしらったアクセントクロスも印象的。ぐっすり休め、気持ちよく目覚めることができそうな寝室だ。
スカイウォールによってプライベートを確保したバルコニー
ヘーベルハウス 高槻展示場
RATIUS [GR] TAKATSUKI MODEL
ヘーベルハウス 高槻展示場
大阪府高槻市富田丘町12-3
tel. 072-693-6699(10:00-17:00 火・水定休)
※写真の設えと実物は一部異なります
取材協力:
Sonechika
ディスクユニオン下北沢店

