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AROUND THE HAUS 50歳からのヘーベルハウス
[第3回]心にゆとりが生まれる「余白の在る家」
─後編─

HAUS

 ヘーベルハウスの重鉄モデルRATIUS[RD]が提案する「余白の在る家」。大宮北住宅展示場に建つリアルサイズのモデルハウスを訪ねた編集部は、予想以上の心地よさにページ拡大を決定。前回は1FのLDKに隣接する「縁の間」を中心にご紹介したが、今回は、階段下のホールを生かした「光の間」、寝室に居ながらグリーンの成長を楽しめる「青の間」という残り2カ所の「間」を中心にその魅力に迫りたい。

「余白」づくりのポイントは、ヘーベル版によって構成されるシェルウォールを巧みに起用している点。外壁で家屋をすべて閉じるのではなく、シェルウォールを立ち上げて「賢く閉じ」ながら、四角いキューブを削りだしたように光や風を招き入れる「豊かに開いた」空間を創出している。この空間づくりの背景にあるのが、長年の実績と経験に基づくヘーベルハウス独自の設計手法。住宅シミュレーションシステム「ARIOS」と植栽提案「まちもり」を組み合わせ、光・風・空・緑といった自然の恵みを効果的に暮らしに取り入れ、「余白の在る家」を完成しているのだ。さらに、居室はもちろん、エントランスホールでも階段室でも廊下でも、どこにいても室内を快適な温度に保つロングライフ全館空調システムを採用。取材してみると、そのシステムも「余白」空間の心地よさに貢献していることが実感できる。ぜひ貴殿も一度見学してみてください!

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モダニズム建築の新しい姿を見せてくれる「余白の在る家」の外観。シェルウォールを生かした半屋外空間は「賢く閉じ、豊かに開く」コンセプトのもとで心地よい「余白」空間を創出。→前号にてご紹介した「縁の間」。カーテン要らずの室内とのシームレスなつながりも魅力だ

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光の間 KO NO MA

ほどよい光のなかで
ホールも心地よい場所に

エントランスを入った正面、階段下のホールに広がる「光(こう)の間」。篭り感を持たせながら奥に開口部を設けたこの居場所は、いわば現代の通り土間。シェルウォールで賢く閉じると同時に、2つのロングFIX窓によって光の通り道をきっちり確保しているので、このように明るく居心地の良いプライベート空間が生まれている。半屋外にできた坪庭のような植栽空間も、心にゆとりをもたらしてくれる。プライバシーと開放感を両立できるヘーベルハウスならではの「余白」空間だ。

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階段下にできた「光の間」では、住まう人のライフスタイルに応じて様々な空間アレンジを楽しめる。今回は、フロアにBasShuのコットンラグ「Ganado」を敷き、ターンテーブルセットとアコースティックギター、さらにジョン・モーテンセンがデザインしたマグナス・オルセンの一人掛けソファ「4521」をセット。音楽好きな主人の趣味空間を演出した。日中は照明が必要なく、自然光だけで過ごせる。スケルトン階段の効果も高く、タテへの広がりを持たせながら「光の間」にもまんべんなく柔らかい光を届けている

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1FのLDKから望む「光の間」の様子。リビングとのゆるやかなつながりを持たせることもできるし、ブラックフレームスクリーンの引き戸をすべて閉めれば「光の間」のプライベート感を高めることもできる

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階段に座って読書も楽しめる
明るく快適な吹き抜け空間

吹き抜けの階段室も心地よい居場所に。自然光をライトにしながら階段に腰掛けて読書するのもいい。自然が生むコントラストによってコテ仕上げの凹凸部が浮き上がる漆喰塗りの壁、一対のペンダントランプを吊す木貼り天井、階段を上がる途中で見下ろす1FのLDKの眺めもフォトジェニック。また、季節や時間帯に関係なく階段室でも心地よく過ごすことができるのは、室内の温度を快適に保つヘーベルハウス独自の「ロングライフ全館空調」が効いているためだ。

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CORRIDOR

やさしい光を受ける
回廊にはアートを飾ろう

 ヘリンボーンのフローリングが映える2Fの廊下は、美しい回廊のよう。シェルウォールによって近隣の視線をカットしながら、開口部から自然光がほどよく注ぎ込んでいる。ガラスをはめ込んだ腰壁も光を遮らないので、廊下全体が明るく開放的。ここを単なる通路にするのはもったいない。ブックシェルフを置いてファミリーライブラリーにしたり、季節ごとにアートを飾り換えてハウスギャラリーとして生かすなどして空間アレンジを楽しみたい。

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2FのWICは、主寝室まで通り抜け可能で動線の役目も果たす。ロングFIX窓の向こうにはシェルウォールがあるのでカーテン不要。外からの視線を遮りつつ、開いた天から自然光がほどよく注ぎ込む

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廊下にアレンジしたアートは、南国の夏の夜をイメージしたKads MIIDA氏によるシルクスクリーン版画「Lion & Woman」

青の間 AO NO MA

寝室から望む「余白」は
樹々の成長を楽しむ空中庭園

 2Fの廊下の先には9.2帖の主寝室がある。「余白の在る家」の魅力をさらに高めているのが、この主寝室から望む「青(あお)の間」だ。シェルウォールに囲まれた空中庭園のような「間」で、中央に伸びるシンボルツリーの緑を楽しみ、同時に、天に開いた青空や星空も楽しめる。四季によって表情を変え、成長しつづけるシンボルツリーにはどんな植物を選ぼうかと、植栽計画も楽しくなりそう。シェルウォールのおかげで窓外の圧迫感はなく、絶妙な奥行き感を味わえる。もちろんプライバシーを保つので、カーテンを全開にしても安心。実を結ぶツリーを植えたなら、野鳥が朝の挨拶に訪れるかもしれない。

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「青の間」のシェルウォールは奥行が2.7mもあるため、背の高い樹木ものびのび育ってくれる。天が開いているので光合成もたやすい。強靭な重鉄構造と、軽量かつ耐久性に優れたヘーベル版だからこそできる「間」なのだ

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1Fのテラス空間からは、「青の間」に植えたシンボルツリーが天空へ伸びる姿を堪能できる。中央に見えるのが2F 寝室の開口部。シェルウォールの起用によって機能性とデザイン性を兼ね備えた半屋外空間が生まれているのだ

WORK SPACE

篭り感と解放感が同時に
満たされるワークスペース

 2Fの主寝室(写真:奥に見える空間)とつながっている7帖のワークスペース。仕事仲間を招いて秘密会議するにも十分な空間なので、デスクの対面に1脚赤いケヴィチェアをセットしてみた。「青の間」のシェルウォールによって窓の左奥にある大通りの喧騒がかき消され、真下の通りの視界は1Fの半屋外空間「縁の間」にかかるシェルウォールが消してくれている。一方、真正面の景色は大きく抜けているため、デスクワークする際の視界が開け、最高に気持ちいい。自然光が入ってくる加減も抜群で、日中はライトなしで十分作業できる。このワークスペースも、巧みな壁使いによって心地よさを演出する「余白の在る家」の見どころだ。

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大宮北住宅展示場

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大宮北住宅展示場
埼玉県さいたま市北区植竹町1丁目816-1 大宮北ハウジングステージ
tel. 048-662-6031(10:00-17:00 火・水定休)
※写真の設えと実物は一部異なります

取材協力:
sono meguro
BasShu
ディスクユニオン下北沢店
Kads Miida Store

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